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◆『愛は嘘つき』シャーロット・ラム

◆『愛は嘘つき』シャーロット・ラム(ハーレクイン)
 取材のため、アマゾンの奥地へ行ってしまうディーヴから、メガンはプロポーズされた。一年後に帰ってきたら結婚してほしいと。が、そのあと立ち聞きした彼と姉の会話にショックを受ける。彼は家庭や子供が欲しいだけで、メガンのことを愛していない──。そして彼が出発した日、彼女に残酷な運命がふりかかる。("Desperation" by Charlotte Lamb,1988)



 涙、涙の切ないお話です(T_T)。
 ある誤解をヒーロー出発前に解けなかったヒロインは、ショックのあまり交通事故を起こし、子宮を摘出してしまうのです。子供を欲しがっている彼とはもう結婚できない、と思い、別れの手紙を書きますが、身体を壊したヒーローが予定よりもずっと早く戻ってきて、彼女を問いつめます。でもヒロインは、自分を愛していないのだから、別の女性と結婚して幸せな家庭を持ってもらいたいと願い、真相は語りません。
 ヒーローがヒロインを熱烈に愛しているのは彼視点がなくても一目瞭然なのですが、それでもこういう問題は難しい……。真相を打ち明けて同情から結婚されてもつらい、と思うのも無理ないし、ましてやそれで納得されて去られたら、身も心もボロボロになってしまいます。身寄りもなく孤独な彼女は、とても口が堅い。うう、切ない……切なすぎる……(>_<。)。
 何も言わない彼女に絶望したヒーローは、「病気治ってないから、行ったら死んじゃうよ」と医者から言われているのに、再びアマゾンへ行こうとする。
 ここですれ違いの元凶となった二人の人物が、ちゃんと自分たちの名誉を挽回します。一人は、出発前の誤解の元になった彫刻家の人。彼女から真相を聞き出し、ヒーローには言わないと約束したかわりに、元凶その2・ヒロインのこといまいちだと思っていたヒーローの姉にチクってしまいます。姉はその話を聞いて驚き、ヒロインに「ちゃんと自分の口から弟に話せ」と説得する。
 引っかき回してそのまんま放りっぱなしってキャラが多い中、自分で落とし前をつけているのに好感が持てます。特に彫刻家の人。ヒロインのことが好きなのに「彼には真実を知る権利がある」という公平な判断を下した。天晴れです。いや、元々、全然悪くはないんだけどね(^^;)。
 最初の方でヒーローが言っていたけど、「一年前に会っていたら」──ほんのちょっとのタイミングのズレなんだよね。今が幸せなら充分じゃないか、とも思うけど、ヒロインの悲劇は避けられたかもしれません。どっちがよかったかとは言いにくい、と思える方が物語として奥深い。それが、ロマンスの中のリアルなんじゃないか、と思います。
(★★★★☆)
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tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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