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2009 · 12 · 15 (Tue) 07:15

●『令嬢と華麗なる詐欺師』ニコル・バード

●『令嬢と華麗なる詐欺師』ニコル・バード(ランダムハウス講談社)
 良家の令嬢サイキは、亡くなった両親が残した財産を妹のために使いたかったが、結婚をしなければ管理をしているおじの手からそれが離れないばかりか、自分本位ないとことの結婚まで強いられそうになる。そのため彼女は、役者を偽の婚約者に仕立て上げようとする。しかし現れた婚約者役の男は、いやに魅力的な上に予想外の行動をし始める。("Dear Impostor" by Nicole Byrd,2001)

 ヒーローは役者ではなく、たまたまそこにいたギャンブラー。勝ったはいいけど、賭けた領地を渡したくない相手から命を狙われています。名前はガブリエル。実は、父親とうまくいっていない貴族の息子。
 読みやすいし、展開もそつがないし、ヒーローとヒロインともになかなかいいんですが、どうも萌えない……。どうしてだろう。私の大好きな『「自分は彼女にふさわしくない」と苦悩するヒーロー』なのに。うーん……苦悩の度合いが足りない気がする……。お坊ちゃんなせいか、あんまり悩んでないっていうか、悩み方に萌えないというか。でも、それを抜きにしても妹のキャラとかよかったし、面白くないわけじゃないんだけど……。
 もう少し──たとえば最初の方とかがもう少しコメディ調というか、軽快な感じだったら、印象も変わってたんだろうけどなあ。重いってわけでもないんだけど……。←必ず最後に「けど」をつけちゃう感じだ(´∀`;)。
 えーと、あっ! ヒロインの名前。“サイキ・ヒル”というんです。サイキの綴りはPsycheで、ギリシャ神話に出てくるプシュケのことなのね。とてもきれいな名前なんだけど、私の頭の中では常に、
「斎木ヒル」
 と変換。絶対こういう名前のおばあちゃん、いるよな、と思っていました。
(★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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