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2009 · 12 · 21 (Mon) 09:10

▼『氷に閉ざされて』リンダ・ハワード

▼『氷に閉ざされて』リンダ・ハワード(二見文庫)
 アイダホ山中に小型飛行機が墜落した。乗っていたのは資産家の夫を亡くし、義理の息子と娘の遺産管理を行っているベイリーと、パイロットのキャム。二人は互いに苦手なタイプだと思っていたが、救援隊が来る気配のない雪山でのサバイバルから、次第に相手のことが見えてくる。そして、飛行機が何者かに細工されたことも。("Up Close And Dengerous" by Linda Howard,2007)

 ここ数日の寒波で、読み終わるのが遅くなった……orz だってだって、ほとんど雪山のシーンなんだもん!ヽ(`Д´)ノ 寒い部屋で読んでるとつらくなるんだよ! 夏に読めばよかった……。
 久々のリンダ・ハワードでしたが、あんまりHOTじゃなかったです。まあ、ヒーローヒロインともに雪山でサバイバルですから、そんなヒマはなかなかありません。怪我もしてるし、火もないし、食べ物も少ない。
 けど、この雪山で二人が奮闘するシーンが一番面白かった。ヒーローの頭にできた傷を水がないからマウスウォッシュで洗う……リステリン? リステリンなの!? しみそう──とか。風が当たらないように即席のシェルターを作ったり、バッテリー液で火を起こしたり。国によって持ち物も違うだろうから、日本人だったら何かなあ、とか。ありもので何とか切り抜けていくヒロインの順応性高し。
 孤独でいろいろと誤解をされているヒロインは、自分の心を守るためにずっと表向きのキャラを作っていたんだけれども、こんな状況ではそんな余裕はなく、あっけなく素をさらすことになる。冷たく計算高い“トロフィー・ワイフ”だと思っていたヒロインの意外な素顔に、ヒーローもあっけなく陥落します。
 でも、謎解きは──実はそれほど気にしていなかったというのが正直なところ。誰が犯人でもそれほどの驚きはなく、とってもコンパクトにまとまった感じでした。シンプルといえば聞こえはいいが、ページ数の割にはするっと読めてしまう。それはそれで悪くはないけど、ちょっと軽いかなあ。
 雪山サバイバルのシーンが面白く読めれば、それで充分って気がします。ロマンス度が低いように見えても、萌えシチュはけっこうあったしね。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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