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2009 · 12 · 27 (Sun) 16:09

◆『悲しみのウエディング』メラニー・ミルバーン

◆『悲しみのウエディング』メラニー・ミルバーン(ハーレクイン)
 妹の結婚式の翌日、目を覚ましたジャスミンは愕然とした。隣で寝ているのは、ゴシップ紙をにぎわすプレイボーイのコナー。部屋を間違えたジャスミンを、彼は起こさずそのままにしたのだ。怒りながら自分の部屋へ戻ろうとドアを開けた瞬間、カメラのフラッシュが光った。("The Australian's Marriage Demand" by Melanie Milburne,2004)

 ハーレクイン・ロマンス・エクストラ『甘い略奪』の一編です。
 こういう設定のものがツボな私。やむにやまれぬ状況から結婚したはいいけど、すれ違い続ける二人、という奴。両方とも結婚を続けたいけど、どっちも相手はやめたいに違いない、と固く信じている。この本に入っている二編ともそういう話で、私は堪能したですよ~。けど、それがどうして『甘い略奪』なのかがよくわからない……。むりやり結婚が略奪ですか?
 この作品では、家族からの疎外感を拭いきれないヒロインと、実は彼女の複雑な事情を全部知っているヒーローのすれ違いを描いています。そんなに知ってるんだったら、もっとヒロインに優しくしてやればいいのに、とは思うけど、彼には彼で家庭に問題があり、なかなか一筋縄ではいかない感じです。孤独で意固地な似た者同士カップル。
 惜しむらくは欧米人のプライドの高さで──こういう状況だと、そのしょーもないプライドの高度をどんどん上げるところに少し萎える。それをかなぐり捨てるところに萌えるのだが、日本人とはメンタリティが違うので、ピタッとツボにはまったラストにはならないなあ。ちと身体に依存しすぎだよ(^^;)、と言いたくもなる。
 けど、すれ違う二人にはつい涙うるうる……。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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