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●『パッション』リサ・ヴァルデス

●『パッション』リサ・ヴァルデス(二見文庫)
 1851年英国。未亡人のパッションは、ロンドン万博会場の水晶宮でマークと出会った。ひと目で惹かれあった二人は、展示品の巨大間仕切りの後ろで求め合う。名前も名乗らずその場限りのことだと思っていたのに再会し、募る想いは激しさを増していく。しかし二人は、パッションの又従姉妹の母とマークの母が企てた罠に、否応なく巻き込まれる。("Passion" by Lisa Valdez,2005)



 再読です。
 ヒーロー母とヒロイン又従姉妹母が胸くそ悪い最低女どもで、さすが同じ穴のむじなという恥知らずな悪役ぶりを発揮しています。前回読んだ時は、ヒーローヒロインにどっぷり集中しちゃってたけど、今回は腹立って腹立ってしょうがなかった。百回殺したい!
 冒頭から、ヒーロー母がヒロイン又従姉妹母に宛てた庭師との浮気で妊娠したことを知らせる手紙ですから。ヒーロー母、それをネタに強請られます。平民のヒロイン又従姉妹母が欲しいのは、爵位──娘を伯爵夫人にすること。ヒーローは自分の母から強請られる。愛する弟にこの事実を知られたくなくて、婚約を強制されます。ヒロインは、何も知らない妹同然に愛している又従姉妹が婚約を解消されたら、彼女の名誉は地に落ち、まともに結婚もできなくなることを悟り、自分の気持ちは秘密にすることを決心する。
 好き嫌いが分かれる作品のようですが、私は大大大好き。やっぱり好き。後半の切なさは、今まで読んだロマンス小説の中でもダントツです。ヒロインだけじゃなく、ヒーローの想いの深さにも泣かされるのです。ていうか、ヒーローの方がずっと切ないですよ。こんなにも求めているのに、あきらめなくてはならないなんて──って一回読んでいるのに、いいシーンは何度も読み返しているのに、もう泣けて泣けてしょうがないんです。特にヒーローが一人でヒロインを思うシーンなら何でも。再読してわかったけど、彼は何度も何度も泣くのです。泣いても仕方ないって思えるくらい、つらいのです。
 ヒロインが妹たちになぐさめられているシーンや、父親との会話でも泣いてしまう。愛する家族といても埋められない大きな空虚さを痛いほど感じる。空っぽなのに、とてもとても重いのです。
 しかし、この作品は少々クセがある。後半の切なさは前半があってこそ、その対比があってこそなんだけど、前半──かなりHOTです。いや、これをHOTとぼかしていいのか。いきなり公共の場で、ですし(^^;)。けっこう描写も露骨。とはいえあくまでも女性向けだし、この作品の場合、必要不可欠であると思いますから、私はそう過激とは感じませんでした。それはやっぱり、普通の時(^^;)の二人のラブラブぶりがあんまりにも微笑ましいからなんじゃないかなあ。
 私が好きなのは、ヒーローが自分の家にヒロインを呼んでプレゼントをあげるシーン。自分のために選んでくれたことに感激して泣いちゃったヒロインへかけるセリフ。

「そんなふうに喜んでもらえるなら、百回だって買ってあげるよ」

 何気ないセリフなんだけど、切ない……切ないわ。エロいからって避けられてしまうにはもったいなさすぎる。どうせなら、ポルノとか官能小説とかエロ小説とでも何でも言ってもらって、興味本位でいいから読んでもらいたい、と思うよ。
「エッチな小説が読みたい? ならこれを読め。そして泣け!
 と言いたい。らぶえっち小説としておすすめしたいくらい。
 エッチなだけでなく、物語も実に鮮やかに展開されます。ラストの緊張感はハンパではなかった。私は「まさか、ハッピーエンドじゃないんじゃないか……!?」と本気で思って、ちょっと具合が悪くなりそうだった(バッドエンド恐怖症なのです)。そこでアレですから──思わぬどんでん返し。ロマサスでも味わったことのない爽快感。しかし、そこで終わりじゃなかった。ここからが一番緊張したかも。
 うーん、続編がついに春に出るようですが、デビュー作がかなりいいだけにプレッシャーだったろうな……。翻訳が待ち遠しい。絶対読むよ!
(★★★★★)
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tag : ヒストリカル 二見文庫 ★★★★★

NoTitle

あはは。
す、すみません・・・白様の「そして泣け!」で、
思わず笑ってしまいました・・・。

いやぁ~。かなりお勧めのようですねぇ。(笑)
それにしても、マークの切ないセリフ、グッときますね!
当家にお越し下さっているから、私の好みもかなりご存知だと
思いますが・・・ぐっとくる台詞は大好物です。

『パッション』探してみます~。

ぜひぜひっ

 JUN様
 はい、おすすめです!(キッパリ)
 でも、かなりHOTですので、すべての人にはなかなかすすめられず……。苦手じゃなければ、ぜひ読んでみてください~。
 いいロマンスってぐっと来るセリフがやっぱり多いんですよね。ラブなセリフだけじゃなくそういうのがあると、余計にうれしくなるのです(^_^)。

初めまして

推薦のお言葉を信じて読んでまいりました。確かにHOTですねv-10 子宮口を突破するモノってありうるんでしょうかv-12 後半は本当に素敵でした!
今後も時々、次に読む本を選ぶ参考にさせていただきたく存じます。

ありがとうございます

 えり様
 コメントありがとうございます。
 描写、けっこうあからさまですよね……(^^;)。モロモロ含めてギャップがすごい作品です。
 また遊びにいらしてくださいませ~ヽ(´ω`)ノ

はじめして

リンの作品を検索していたらこちらにたどりつきました。
そうしたら、最新のコメントのところに「パッション」があるではないですか。
「パッションってあのパッション?」と興味半分で見てみたら…
ホットなだけじゃないんですね!!
切ないすれ違いは好物なので今度読んでみようと思います
(前半シーンへの覚悟を決めたうえで)

良いブログを拝見できて良かったです。

こちらこそ

 ななこさま
 はじめまして。コメントありがとうございます。
『パッション』は大好きな作品なので、「読んでみよう」と考えていただけるだけでもうれしいです~。期待どおりに「面白い」と思っていただけるともっとうれしいのですが……。
 また遊びにいらしてくださいね!ヽ(´ω`)ノ

パッション最高!

 同じようにマークへの愛情が零れんばかりの感想に共感しました!さっき読了したばかりなのですが、いやもう凄かった。
 涙出まくり、鼻水垂れまくり、咽び声あげまくりの三拍子でした!マークのずっと口にできなかったPleaseの意味…知っているだけに、彼女に向かって願いをこう場面はページめくることができないほどで。苦しくて、胸がえぐれて死ぬかと思いました。久しぶりにロマンス小説で読後感に満ち足りた気持ちで一杯になりました!
素敵なブログをありがとうございました。
 ホットシーンは刺激的ですが、リンダやシャノンやリサマリーを読んでるとwow!キター!!っていう感じでワクワクしました。

コメントありがとうございます!

>チカさま
コメントありがとうございます!
読んでいつの間にか6年たってしまいましたけど、いまだにこれ以上「切ない」と思えるロマンスには出会えていません。リサ・ヴァルデス、二作目はアレな感じでしたけれど(´ω`;)、『パッション』は間違いなく傑作ですよね。
これと同じくらい、あるいは超えるくらい切ない作品を探し続けて読んでますけれど、なかなか見つからないですね……。「切なさ」とは違う面白さを持つものはたくさんあったんですけどね……。
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
    ★★★★からがおすすめです。
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