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2010 · 01 · 22 (Fri) 21:40

●『いたずらな恋心』スーザン・イーノック

●『いたずらな恋心』スーザン・イーノック(二見文庫)
 19世紀初頭のイギリス。男装をして父の密輸業を手伝う“キット”ことクリスティンは、密輸を邪魔する英国貴族の正体を探るため、父によってエヴァートン伯爵アレックスの屋敷へ送り込まれる。彼はあっけなくキットの性別を見破るが、なぜかそのまま屋敷に滞在することを許す。("Lady Rogue" by Suzanne Enoch,1997)

 面白いけど、ちょっと長い……。
 いや、冗長というわけではなく、単純な長さなんですが。そんなに無駄な部分もないと思うし。
 目指したのは『紅はこべ』みたいな冒険活劇なのかも、と読んでる時に思ったし、訳者あとがきを読んでもやはりそう思った。舞台設定からしてそうだもの。美貌の男装スパイ、極秘任務に関わるハンサムな伯爵、ナポレオンにワーテルローの戦い、密輸を巡る謎のフランス人、ヒーローの妻の死、ヒロインの父と伯父の確執──と盛りだくさん。
 ヒーローとヒロインの描き方はとてもいいです。ヒロインのおてんばぶりがかわいいんだけど、六歳の時からドレスを着たことがないっていうのはちょっとかわいそうだった……。このわがままな父親は、『恋に危険は』を思い出させる。
 それから、冒険活劇らしくヒーローが情熱的。逃げるヒロイン、追うヒーロー。「きみがいないと死ぬ」「お願いだから結婚してくれ」と土下座せんばかり。こういう直球のプロポーズっていいよね。
 しかし惜しいかな……ほんの少しテンポが足りないような……。初期作品ということなので、はりきってちょっと詰め込み過ぎたのかしら? この二人を現代に持ってきたって感じがする『恋に危険は』では、だいぶ裁き方が洗練されているように見えます。

 ところで、男装のヒロインということでいろいろと想像をしたわけですが──繊細な美少年、という印象の男装してもおかしくない女性、というのを思い浮かべようとしても……誰も出てこない。どちらかというと、「女性に見える男性」の方が出てきちゃう。ビョルン・アンドレセンとか(古いねどうも(^^;))。今なら、『仮面ライダーW』フィリップ役の子。まだ16歳で線が細いから「女の子だったの!? (゚Д゚)マァ!!」と驚いて納得、ってくらいにはなりそう。
 しかし、最初の方でヒロインが「誰にも見破られることはなかった」と豪語した時、私の頭の中に浮かんだのは近所のコンビニでバイトをしている女の子。しかし、その子の見た目は、
「爽やか野球少年(小学六年生)」
 しかも嵐の大野くんにちょっと似てるんだよね……。でも、“まごうかたなき美女”というタイプではないな……。
 結局うまく想像できなかった、男装ヒロイン……orz
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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