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2010 · 02 · 06 (Sat) 06:50

●『抑えきれぬ情熱を騎士に』キャサリン・キングストン

●『抑えきれぬ情熱を騎士に』キャサリン・キングストン(フローラブックス)
 勢力拡大を狙うサー・ウィリアムに家族を惨殺され、さらわれたロザリンドは、花嫁になることを拒否したため地下牢に閉じこめられていた。そこへ他の囚人を救うためにジェフリー卿が現れる。千クラウンを払うことを条件に彼の城へ身を寄せるが、彼女には財産はない。嘘をついた彼女を罰するため、ジェフリー卿は城の規則に従い鞭打ちをし、その上に一夜の奉仕を命じる。("Ruling Passion" by Katherine Kingston,2002)

 うちに帰ってからあらすじを読んで、ちょっとギョッとした(^^;)。
 とはいえ、中世の話だし……リアルに書くなら、鞭打ち自体は不自然じゃないよね──と思いながら読み進めましたよ。
 翻訳のせいなのか、それとも原文自体がこんな感じなのか、ちょっと古風な雰囲気の文章です。でも、何だかちぐはぐな印象が拭えない。鞭打ちは、まあいいですよ。一応、ラストの伏線にもなってるわけだし。それにこれは中世の象徴程度の機能。メインは実はスパンキングだったのです(´∀`;)。鞭ではなく自分の手で、という……。
 しかしこれだって個人の嗜好ですし、お互いがそれで満足しているのなら全然かまいません。痛い描写は肉体的にも精神的にもちょっと苦手ではあるんだけど、暴力であって暴力ではない、とはわかっているので。
 でも、一番ちぐはぐなのは、こういう性嗜好描写の部分というより、それ以外とそういうシーンのギャップかなあ。規制されていた時代に書かれたような文章から、いきなり欲望丸出しの現代文になってしまうような。いや、原文が読めませんから、そのとおりかどうかわかりませんが、雰囲気変わらずにこのレベルのHOTシーンを書くのは、それはそれでかなり難しいとは思います。
 昔、戦前とかの発禁本を装って現代作家が書いた小説、というのありましたよね……。日本のも外国の作品もあった。読んだ記憶もあるけど、誰が書いたかは忘れた……。そういう印象に似ているかなあ。
 こんな感じでも、話が面白ければいいんだけど、何だかとってもあっさりしていたよ(´д`;)。ヒロインは、自分からは何もしなかったなあ。地下牢から助けてもらったら、鞭打ちされてお尻叩かれて、あとはひたすらヒーローといちゃいちゃしているだけでした。起伏の少ない話だった。「誰それなら、ここを際限なくふくらませるはず」とかつい思った(´∀`;)。
(★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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