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●『戦士と美しき人質』キャサリン・コールター

●『戦士と美しき人質』キャサリン・コールター(ランダムハウス講談社)
 910年、アイルランド。異父兄アイナーへの復讐を露わにしたヴァイキングの戦士ロリックに人質にされたミラナ。ロリックの島ホークフェルに連れて行かれるが、なぜか女たちは彼女を受け入れる。一方、アイナーもまたミラナを策略の駒として必要としていた。("Lord Of Hawkfell Island" by Catherine Coulter,1993)
・〈ヴァイキング〉シリーズ第1作



 とても勇ましいヒロインです。どれくらい勇ましいかというと──自分の結婚式の時、こぶしを空に突き上げ誓うシーンを読んで、思わず、
ラオウ……」(注:音楽が流れます)
 とつぶやいてしまったくらい(´∀`;)。さらに言えば、ラオウとトキを足して二で割ったようなヒロインですよ。そしたら、ヒーローはどうしたってケンシロウ。弱い! 弱いよね! 2対1だし(意味違(^^;))。ラオウよりトキの方が強いんだし!(『北斗の拳』の常識はどうでもいい)
 圧倒的に強いヒロイン(しかも18歳)に、ヒーロー押され気味ですが、ツンデレなところはとてもよかったです。最初からツンデレ。自分で海に投げ込んでおいて、自分で助ける。あれ、これってツンデレ?(^^;)
 自分の結婚式でラオウのようになる女がヒロインですから、当然糖分ゼロです。相変わらずシュガーレス。これ、ロマンスなんかな……orz ヒロインが鞭で打たれたり殴られたり殴り返したり。ヒーローは割と普通──というか本当にケンシロウみたいな奴なので、高潔で純粋だったけど、変態な奴も脇に健在。倒錯、禁断な要素もあり。(コールターって変態とか狂人を書くのが絶対好きだ)
 人によっては地雷満載かもしれません。私は全然平気でしたが。(私の地雷は(性的虐待を別にした上で)「主人公たちの気持ちがフラフラしている」という奴。一途じゃない、というのがいやなのです。つきあい始める前とか別れている間(これらの定義も微妙ですが)の愛人ならギリギリセーフですが、つきあっている間は1対1になってほしい。でも実は肉体よりも「精神的に決められない」というのが一番いやなんだけどね)
 物語は起伏に富んで、展開の先が見えません。脇役たちも魅力的でとても面白いけど、ヒーローの復讐の原因は悲惨だし、人は容赦なく死んでいくし、安易な解決もない。そして、その時代の常識と現代的な感覚のハードなぶつかりあい──きつい。ほんとにきついです。でも、この厳しさがまさにコールター独自の物語なんだろうな、と思いました。
 あとがきはちょっとネタバレ気味なので、読み終わってから読むことをおすすめします。
(★★★★)
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tag : ヒストリカル ランダムハウス講談社 ★★★★ シリーズ

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
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