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2010 · 02 · 28 (Sun) 12:40

◆『ふたたびの愛人』デイ・ラクレア

◆『ふたたびの愛人』デイ・ラクレア(ハーレクイン)
 経営するイベント会社が倒産の危機に陥り、やむなくキャサリンが頼ったのは二年前に別れた元恋人ゲイブ。ともに暮らしていた二人だったが、仕事を優先する彼とやっていく自信がなくなった彼女から離れたのだ。二人はもううまくいかないと彼もわかっているはず。だがキャサリンの会社を助けるためゲイブが出した条件は「もう一度一緒に暮らすこと」だった。("Mr. Strictly Business" by Day Leclaire,2009)

『大人の恋愛小説 DSハーレクインセレクション』の一編。読んだことのない作家で、なおかつ初翻訳作品を選んでみました。ただ原題、調べようがない……。
 ある秘密とやっかいな横槍女に疲れたヒロインを何とか取り戻そうとする未練たっぷりなヒーローのお話。
 気になる存在が二人ほど──。最初、やっかいな横槍女の正体をヒーローがまったく気づいていないのかと思って、ボンクラだなこいつ、と思ったのですが、最後に「実は知っていた」と言ったのには別の意味で驚いた。この女、横恋慕する美女、というよくある設定ではなく、執着心の強い病的な嘘つきで、捕まっていないだけの犯罪者。それを「有利に使える」という理由で雇っておくというのはヒーロー、女というか、こういう人間を見くびり過ぎてて、結局はヒロインの言うとおり、わかっていなかったというのが正しい。ここをもっともっと反省してほしかったです。危機管理がなってない! 下手するとヒロイン、殺されたかもしれないから!
 まあ、もっとあの女にぎゃふんと言わせてほしかった、という不満だけなんですけどね。
 それから、息子とヒロインのために画策するヒーロー母。「そこまでしなくても」とは思いますが、こっちはまだ許せる……かなあ? 微妙……。お金持ちの発想の違いなんだろうか?
 とはいえ、未練タラタラなヒーローのメロメロぶりはとてもよかったです。やだなあ、未練がましい男が好きって自覚しちゃったよ(-ω-;)。ヒロインの秘密は途中でバレバレですが、デリケートな問題なので悩むのも、彼から離れようとするのも仕方ない。
 こういう切なさはツボなのですよね……。

[3/3追記]
 原題、アメリカのAmazonで調べました。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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