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2010 · 03 · 03 (Wed) 16:30

◆『この愛はぜったい秘密』ミランダ・リー

◆『この愛はぜったい秘密』ミランダ・リー(ハーレクイン)
 サマンサはショービジネスのエージェントとして成功しているガイの秘書になって五年。その間、彼は自分と正反対の女性とばかりデートして、見向きもされない。サマンサはついに辞表を出すが、その直後ガイの父が倒れ、動揺した彼が妙なことを口走る。「結婚はしたくないが、子供を生んでくれる女性を探してほしい」──彼女はさりげなさを装って言った。「私ではどう?」("A Daring Proposition" by Miranda Lee,1992)

『大人の恋愛小説 DSハーレクインセレクション』の一編。再読です。ネットで検索しても原題が見つからなかったので、本を掘り起こしたよ……(´д`;)。
 昔の読書メモには、

「よくある社長と秘書の話だが、二人が交わす契約があさはか。子供がかわいそうじゃん! ちょっと興ざめしてしまった。傲慢ヒーローにも慣れてしまっているしね」

 とあったのですが、読み直したらけっこうよかったよ(´∀`;)。あれれ?
 確かに子供の将来のことも考えずにこういう契約をするのは浅はかなんだけど、結局ただの口約束だし、ヒーローが望んでいるのは円満離婚した夫婦とほぼ変わらない関係ってことなんだよね。結婚した時は愛情があって、子供の将来もしっかり考えていた夫婦でも、突然亀裂ができて別れてしまって子供巡り泥沼、というのは充分ありえるわけだから、思ったよりもひどくはなかったなあ、と。
 実際、一回ベッドをともにしたらヒーロー、自分の気持ちにびびってしまう。今までヒロインの気持ちに気づかなかったのはおバカさんだと思うけど、彼は自分がろくでなしだと自覚しているんだよね。ヒロインはちゃんと結婚して幸せになるべき女性だとも思ってる。過去のこともあるし、彼女を幸せにするのは自分みたいな男ではない、と感じていたらしいです。
 それがヒロインをずっと悲しませていたわけだけど、そのかわり「謎の片思いの相手(ヒーロー自身のこと)」に対して激しくいらない嫉妬をしている様子が楽しかった。それが何ヶ月も続いたそうなので、傲慢な奴でも少しは許せるかな、と今回は思った次第です。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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