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▼『遠い夏の英雄』スーザン・ブロックマン

▼『遠い夏の英雄』スーザン・ブロックマン(ヴィレッジブックス)
 米海軍特殊部隊SEALの隊長トム・パオレッティ大尉は任務中に頭部を負傷し、30日の休養を命ぜられる。後遺症の頭痛やめまいが治らないのではないか、軍を追われるのではないか、という不安を抱えながら故郷へ戻った彼は、十代の頃から想いを寄せているケリーと再会する。だが、町で死亡したはずのテロリストを見かけたトムは、上司に連絡するが本気にされない。("The Unsung Hero" by Suzanne Brockmann,2000)
・〈トラブルシューター〉シリーズ第1作



 ここ数年ロマンスに再びはまり始めた私ですが、この本にはごく初期に出会っていました。〈トラブルシューター〉シリーズ第一作。図書館で見かけて借りようかどうしようか、でもぶ厚いし──と迷ったままほっといた作品。今回読んでみて、驚いた。すっごく面白い! こんなに面白いんだったら、もっと早く読んでおけばよかったよ……orz
 想像していたのと一番違っていたのは、とても淡々とした筆致だということ。ヒーローヒロインのロマンスだけではなく、ヒロイン父とヒーロー大叔父が関わった第二次世界大戦当時の三角関係、ヒーローの姪っ子とアメコミ作家を目指している青年との初々しいロマンス、そしてもちろんテロリストとの攻防と盛りだくさんなのに、すごく読みやすい! 妙に偏った盛り上げもないし、どのエピソードにも同じくらいの感情移入ができる。悲しいところももちろんあるけど、泣かせようと気張る気配もなく、お涙頂戴な部分を突き抜けている気がします。
 一番よかったのは、サスペンスの部分で話を回そうとせず、キャラたちの生活と心理を丁寧に描く方をメインにして、事件はラストで効果的に、しかもあっさりと終わるところ。事件もロマンスの結末も、彼らの続く生活の一部、という余韻を残して終わる。すみずみまで配慮ができていないとできない技です。
 オタクに希望を与える(´∀`;)ヒーロー姪っ子のロマンスがかわいらしく一直線でグーですが、メインの二人の話もとてもよかった。若い子たちに比べると、考えすぎてお互い思い合っているのになかなかくっつかないじれじれな二人。こういう状況って、つい「もっと捨て身にならんかいっ!」と思うことしばしばです。けどこの場合、プライドというより、本当に深く愛すると失うことまで考えて怖くなる、ということで──ここまでしっかり伝わるように書いてあると、じれじれも説得力が出てきます。その心情を、ヒロイン父ヒーロー大叔父の話にも絡めて描いているので、キャラにより人間的な厚みが増す。
 それに、ずっとずっとヒロインのことが好きだったくせに何も言えない超ヘタレでハゲかけてるヒーロー(^^;)というのも珍しい(いや、欧米の頭薄い人はショーン・コネリーを筆頭にセクシーなのが多いですから、別に気にしませんが)。SEALのくせに、一番好きな女の子の前では意気地なし。何だかとってもかわいらしくてすごく萌えました。男たちはみんなかわいらしかったですよ。女性の方が、それぞれいろんな意味で強かった。

 ところで私、この本を図書館で初めて見つけた時、ぶ厚さにびびって読まなかったというのと同時に、掟破りなことをしてさらに遠ざかった、といういきさつがあります。今はもうやらないけど、あの時は何と! 気になって気になって最後のページを……読んでしまったのです。
 そして今回読み始めて──最後はヒーローが必死に「結婚してくれ」と頼んでいるのに、ヒロインが涙ながらに「いやだ」と言い続ける──そんな微妙なラストが待っている、と思っていたらば、あれえ? 全然そんなんじゃないわ……orz
 何でこんなラストだと思ったのかな。今書いてみて、「同時期に読んだあの作品と混じってるらしい」というのは何となくわかったけど、どうして混じったのか……なぜほぼ創作になってしまったのか(^^;)。
 確かにヒロインは結婚への不安を多少口にはしますけど──「結婚はこわいわ」と。それが、それだけが印象に残ってふくれあがったのかも。そこから「いやだ」と言って泣く──というより「怖い」と言って泣くヒロインを説得しようとするヒーローという図式ができたのかしら……。

 最後にどーでもいい、わかる人しかわからなくていい叫びを──。
 アリッサ! ホークアイ! 二人とも中尉! 二人とも狙撃手! 二人ともかっこいい!ヽ(´ー`)ノ トムに「無能」と言って凹ませて……。
(★★★★★)
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tag : サスペンス/ミステリ ヴィレッジブックス ★★★★★ シリーズ

トラブルシューターシリーズ大好きで(たぶん)全巻持ってます

私は「緑の迷路の果てに」が特に好きです
SEALのメンバーとFBIのアリッサは個性的でカッコイイし
みんな何かしら悩んでいるのがいい!

最新刊といっても暫く前ですが
アリッサとロジャー(サム)・スタレットの話は人種問題もあって考えさせられました

ようやく──

 店長ママ様
 ずっと気になってはいたのですが、ようやく読めました>トラブルシューターシリーズ
 追いかけたいけど、アリッサのまで追いつけるのはいつになるかなあ(;_;)。

1巻1巻が分厚いので一気読みは根性入りますね 

白さんのペースで頑張って読んで、感想を聞かせてください 

ところでダイアナ・ガバルドンの「アウトランダー・シリーズ」読まれましたか?
最初の頃は面白かったんですが、段々どうでも良くなってきてブックオフに売っちゃったんですが… 

白さん的にはいかがでしょうか? 

以前書いた記事があるのでしたら重複してすいませんm(__)m

長いとつい

 店長ママ様
 アウトランダー・シリーズも、敬遠しているシリーズの一つです……。一つ一つ主人公が違うのならまだいいんですけど、みんなつながってる(んですよね?)ものって、投げ出す可能性が高くて……。イヴ&ロークも3巻までで止まってしまいましたし。
 本屋さんで見かけるたび「どうしようかなあ」といつも思うんですけどねえ……。
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
    ★★★★からがおすすめです。
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