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●『舞踏会のレッスンへ』ジュディス・アイボリー

●『舞踏会のレッスンへ』ジュディス・アイボリー(ライムブックス)
 19世紀末のロンドン。元侯爵令嬢で言語学者のエドウィーナは、あるカフェでネズミ取りの男ミックの独特のなまりに乱された言葉を聞き、思わずメモを取る。そして、その場に居合わせた双子の紳士から、ミックに上流階級の話し方とマナーを教え込み、紳士に仕立て上げられるか、と話をもちかけられる。判定するのは6週間後──彼女が生まれ育ち、追い出された城で行われる舞踏会。("The Proposition" by Judith Ivory,1999)



 あああ、困った。面白いものを読んでしまうと、仕事にならないよ~(´д`;)。忙しい時には何を読めばいいのか、ほんと困る……orz
 それはさておき。一気読みしてしまいました。あらすじにもあるように、逆『マイ・フェア・レディ』──の原作であるバーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』が元になっています。(日本じゃ『ピグマリオン』より映画『マイ・フェア・レディ』の方が圧倒的に有名だよね?)
 身分の高いヒーローと下層階級のヒロインの話は、定番で安心できる題材──つまり、お約束なお話ですが、男女が逆になるだけで「本当にハッピーエンドになるのかな」と不安に思うのはなぜなのか。そういう点で、切ないお話です。ヒーローの方が身分が下でもお金持ちならそれもまたお約束なんだけど、彼には何もない。たぐいまれな美貌の持ち主であっても、学がないだけで頭の回転は速くても、舞踏会を見事に乗り切ったとしても、それで二人の距離が埋まるわけではない。(読んでて、中国のイケメンホームレスのニュースを思い出したよ(^^;))
 こういう身分差による障害というのは、今の、そして日本人の私には正しく理解できないものなのかも、とも思うけれど、この作品の終わらせ方はもしかして、そういう当時の身分差を皮肉ったものなのかな。
 ある意味、安易ともありがちとも、バタバタ急ぎすぎとも言えるようなラストではあるんだけど(それで興ざめと言う人もいるかもしれない)、本当のことは誰にもわからないし、証明もできない。すべては権力を持つ者の言い分で決まり、本人の資質や真実がどこにあろうと関係ないという身分制度のまやかしを表している、と私は思ったんですが。
 まるで元になったギリシャ神話のように、象牙でできた女性の彫像が本物の人間になるみたいに。
 でも、本物の人間って何だろう、って。ヒロインが、完璧な紳士になったヒーローの中に、最初に会った時の彼を探すように。
 ロマンスなのでもちろんハッピーエンドですけど──エピローグには、そういう切なさの余韻がちょっとだけ残っているような気がしました。
(★★★★☆)
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tag : ヒストリカル ライムブックス ★★★★☆

お久しぶりです

この本は出版したばかりのときに読んだので余り覚えてないんですが

ヒーローが顔だけしか取り柄のない「ネズミ取り屋」てのが花がない…

という印象しか残ってません

男女逆設定は難しいと思います

私は★★かな~

ワイルドとも言えますが

 店長ママ様
 確かに「ネズミ取り」は華がないですね(^^;)。
 私は華やかな王道も変化球も──つまり何でもいいので(^^;)、楽しく読めました。ロマンスのふりをして作者の意図が透けて見える作品だとなおさら惹かれますねえ。

読みが深い
お見それしましたm(__)m
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
    ★★★★からがおすすめです。
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