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2010 · 06 · 27 (Sun) 13:13

●『夜色の愛につつまれて』リサ・クレイパス

●『夜色の愛につつまれて』リサ・クレイパス(ライムブックス)
 1848年ロンドン。子爵の位を継いだばかりの兄と妹たちの世話に奔走するアメリアは、その日も行方不明になった兄を探していた。兄は有名な賭博クラブ“ジェナーズ”にいると当たりをつけた彼女は、そこでクラブの支配人、ロマ(ジプシー)のキャムと出会う。("Mine Till Midnight" by Lisa Kleypas,2007)
・〈ザ・ハサウェイズ〉シリーズ第1作

〈壁の花〉シリーズからのスピンオフという新シリーズです。『冬空に舞う堕天使と』に登場したロマのキャムがヒーロー。ジェナーズのオーナーであるセントヴィンセント卿と妻のエヴィー、そして〈ボウ・ストリート〉から三つものシリーズに出ずっぱりのウェストクリフ伯爵と、妻のリリアンも出てきます。
 ロマ──ジプシーのヒーローということですが、実はアイルランド人との混血。ということで、外見は『風と木の詩』のセルジュしか浮かびませんよ(^^;)。少年の頃から美しかったであろうと思われますが、内面はかなりのSというか、腹黒というか、丁寧語で強引に迫る男(こういう男って「白衣にメガネ」みたいなイメージがある私は変かしら?(´∀`;))。頑固者で通っているヒロインですら陥落させる。傲慢と気づかせずに自分の意思を押し通す男。ヒロインの弱点を繊細に、だが正確に突き、目的のためなら手段を選ばない男。
 なかなかこういう計算高いヒーローというのは珍しい。見込まれたら逃げられない気の毒なヒロインということになりますが、彼女も頑固というか、視野が狭いというか、決めた道から絶対はずれまいと身構えているような人だから、これくらいがちょうどいいかも。最初の方は、ヒロインの頑なさが少し読みにくいかな、と思ったからね。
 いつものとおり、ヒーローがメロメロではあるのですが、今回のはヒロインがメロっているのを読むのが楽しかった。あえて使いたいですよ、「エロい」という言葉。行動もエロいが声もエロそう。しかもあんな丁寧に言われたら催眠術みたいな感じになりそうだし、興奮するとロマ語が出てきたりとか──あらゆる手管を駆使して、人に頼れない仕切り屋さんヒロインをじわじわ追いつめる様は面白かった。
 で、相変わらず次の作品も読みたい、とうまく誘導されてしまうのでした。ううー、見つけてこなきゃ。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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