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2010 · 07 · 18 (Sun) 07:47

□『パプリカ』

『パプリカ』2006
 夢を共有できる装置“DCミニ”を使うサイコセラピストのパプリカ。それは精神医療総合研究所に勤める千葉敦子の夢の中での姿だ。所長からの依頼で、極秘の治療を行うこともある。DCミニはまだ実用化されていないからだ。だが、そのDCミニが盗まれ、悪夢に冒された人の精神が崩壊する事件が発生する。(監督:今敏 原作:筒井康隆 声の出演:林原めぐみ、古谷徹、江守徹、大塚明夫、山寺宏一、他)

 ネットで『インセプション』の感想を漁ってたら、よく「似てる」と言われていたアニメなので、見てみました。(ずーっとDVDレコーダーのハードディスクの中にほったらかしてた(^^;)。スカパー!で録ったというのしかわからん)
 とはいえ、他人の夢や記憶に介入する、あるいは共有するという物語は、すでに一つのスタンダードと言えます。どういう方法で夢や記憶に入り込むか、何を目的とするのか、そして夢のイマジネーションが作品の出来を大きく左右する。似てると言う気持ちもわかるけど、同ジャンルというだけで、『インセプション』とは別物です。
 原作の小説は読んでいないのですが、この作品は本来の目的、そして悪夢を投影したりすること自体、それほど新鮮味はありません。でも90分という短めな時間の中に、かっちりと話を収めている。面白い短編小説を読んだ時みたいな気分になれます。
 尊大で居心地悪い悪夢そのままの雰囲気が全体を覆っているようですが、ヒロインの分身パプリカの存在がそれを薄めて軽くしているというか……筒井康隆の原作のせいもあるのかな。私の彼の小説に対する印象って、「明るい狂気」なんだけど。ちと古いかしら。重くて暗かったら、どうしようもなくありがちになりそうなのを救っていると思います。
 ただ、見させられる悪夢のイメージに、もう少し惹かれるものがあるとよかったんだけど──と思いながらも、これはかなり個人的な意見というか、生理的な反応に近い。夢や無意識を扱う作品としては、好き嫌いは仕方ない部分というか。そういうふうに思われることも、正しい気がする。
 本当は実写でできるといいんだろうけどねえ。『インセプション』の予算を聞いて、ため息が出るばかりです……(´д`;)。
(★★★☆)
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最終更新日 : -0001-11-30

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