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2010 · 07 · 25 (Sun) 07:27

□『プレステージ』

『プレステージ』“The Prestige”2006(DVD)
 19世紀末のロンドン。二人の天才的なマジシャンがいた。一人は華麗なパフォーマンスで観客を魅了する“グレート・ダンカン”ことアンジャー。もう一人は独創的なトリックを作り出す“ザ・プロフェッサー”ことボーデン。若き頃はともに修行に励む身であったが、アンジャーの妻の死の原因がボーデンにあったことから、二人は互いの復讐に取り憑かれていく。(監督:クリストファー・ノーラン 出演:ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、スカーレット・ヨハンソン、デヴィッド・ボウイ他)

『インセプション』を見てから、クリストファー・ノーラン監督の映画が見たくてたまらなくなり、今日これと『インソムニア』を借りてきましたヽ(´ω`)ノ 『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』『メメント』はもう見ているので、あとは長編デビュー作の『フォロウィング』を探さねば。
『メメント』は映画館では見ていないんだけど、DVDが出た直後に見て、ものすごく気に入った作品です。『ダークナイト』も映画館で二回見たよ。
 ノーランの映画は、やはりすごく知性的で刺激的だと思うのです。今回『プレステージ』を見て思ったけれども、構成が小説みたい(もしかして原作にかなり忠実なのかな?)。小説だと思うとオーソドックスだけど、映画でやるとかなり複雑に見える。過去のシーンと現在のシーンを瞬時に認識させないといけないし、過去のシーンにはさみこんだ伏線をすんなり思い出せるようにしておかないといけない。しかも、すぐにわかる伏線とわかりづらい伏線も入り乱れる。かなり洗練された構成だと思います。『インセプション』の脚本の構造もよく似ていたなあ。
 復讐の連鎖を執拗にくり返す二人のマジシャンを演じたヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールの対照的なキャラもよかったです。お互いに奇人であるのは間違いないんだけど、まともなところと狂気が混じり合い、どちらがよりヤバイかは最後まで判断がつかない。見た目はクリスチャン・ベールの方がヤバそうなんだけどね。バットマンシリーズとは違ってヤンチャな感じがツボでしたよ。悪そうな男の方が好きだ……キャラ萌えなもんで、つい(^^;)。
 二つの大きなトリックがあるんだけど、最後に明かされるものについては、先入観のない人にとって掟破りと感じるかもしれません。私は原作者クリストファー・プリーストがSF作家というのを知っていたので(でも原作『奇術師』はなぜかサンリオSF文庫で出ていたと誤解)、納得というか、アリなオチだと思いました。それより、そのマシンを作ったニコラ・テスラ役の方が驚きだよ!
「この人、年取ったデヴィッド・ボウイみたいだなあ」
 と思ってたら、本人かよ!(´д`;) 年取ったんだなあ……(>_<。)ウウウ
 もう一つのトリックは、ありきたりなオチではあるけど、描き方に関しては小説の方がたやすい。だからなのかこの映画は、途中から割とあからさまな見せ方をしていたと思います。とはいえわかるわからないより、そんな人生を選ぶ奇人ぶりの恐ろしさに重点を置いているのではないかな。どっちにしろ二人──いや三人ともがマジックに取り憑かれ、超えてはいけない一線を超えてしまった、という物語なのです。
 残された一人──というか、あの女の子には、幸せになってほしいものだ。

 それにしても、どうしてクリストファー・ノーランの映画を見ると、刺激されるのか──つらつらと考えるに、なんかこう、見始めるとすぐに、
「こんな漫然と見ている場合じゃない!」
 という気分にさせられるんですね。『インセプション』や『メメント』の時も思ったけど、じっくり腰を据えて見ないとつまらない! という気分になってくるのです。何も考えずに見られるものももちろんいいのですが、そればっかりじゃやっぱり飽きてくる。タネを見破ろうとする観客と、だまそうとするマジシャンのような緊張感にも似た期待があるんです。ちゃんと見れば見るほど、こっちの上を行くものを見せてくれる、という──。
 ぶっちゃけて言うと、彼の映画を見て「面白い!」と感じると、頭良くなったように思えるってことです(´∀`;)。なんかねえ、難しいパズルを解いたような達成感があるんですよ。カラオケで難しい歌を歌って「うまーい」って言われて(* ̄ー ̄)フフン♪ とか。
 こういういい気分にさせてくれる映画は、最近あんまりないと思うんだよねえ。
(★★★★)
[Tag] * ★★★★

最終更新日 : -0001-11-30

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