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2010 · 07 · 27 (Tue) 14:51

◆『カリブの潮風にさらわれて』アイリス・ジョハンセン

◆『カリブの潮風にさらわれて』アイリス・ジョハンセン(二見文庫)
 女子大生のジェーンは、ある事件をきっかけに、有名な映画監督ジェイクの豪華クルーザーの乗務員となった。プレイボーイとしてゴシップ紙をにぎわす彼だが、ジェーンには優しく、純真な彼女は次第に心を奪われていく。("Tempest At Sea" by Iris Johansen,1983)

『嵐の丘での誓い』のスピンオフです。
 けど、実は前作をまったく憶えていないのね……orz 本を発掘するのも大変だし。自分の記事を読んでも、ジョージ・ルーカスがモデルっぽい? というのしか思い出せない。
 ということは、今回のモデルはスティーヴン・スピルバーグ? ──確かにヒーローは映画監督ですが、映画監督である必要は一つもない話です(^^;)。ギリシャかイタリアかスペインの大富豪の方がふさわしいというか、とにかく映画のことはひとっつも出てきません。何しろ、休暇中で舞台のほとんどは船の中ですから。おかげで、スピルバーグの顔がちらつかないでよかったですけど、何となく今の時代だと、映画監督ってそんなに華やかかなあ、みたいにも思ったり。当時のことはよくわからないけど。
 その点は置いておくとして──ヒロインはとても純真というか、世間知らずで人をすぐ信じてしまう、世慣れたヒーローから見るとハラハラするような女の子です。だいたいクルーザーの乗務員になったいきさつも、核反対のメッセージをクルーザーの寝室に落書きするためで、その理由も、
「彼は原子力発電を支持するような映画を撮ったから」
 というもの。彼に直接抗議というつもりではなく、話題作りなんだけど、それも友だちに言いくるめられた雰囲気ふんぷん。適当な友だちの言い分を信じてしまい、さらに持たされた爆弾がダミーでなく本物だったとか、超危なっかしすぎる。(後半、その爆弾を持たせた友だちのことが絡んでくるかと思ったけど、全然出てこなかったな(^^;))
 まあ、そういう天然でアホの子と言ってもいいようなヒロインに庇護欲が出たのか、ヒーローは警察に突き出さず、ダメにしたウッドパネルを弁償させるため自分の船で働かせることにする。あとの展開はお約束です。
 けど、ヒロインはとても素直なので、気持ちを自覚したらすぐに告白してしまうし、彼女を自分から遠ざけるためヒーローが呼び寄せた元カノにも正直に話してしまう。それが(古い作品なのに)とても新鮮だった。しょーもないプライドにうんざりしていたところにちょうどよかったこと。その分、ヒーローの印象が少し薄かったかなあ。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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