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●『理想の妻のたくらみは』エリザベス・ボイル

●『理想の妻のたくらみは』エリザベス・ボイル(オーロラブックス)
 セジウィック男爵アレックスは、祖母からの「結婚しろ」攻撃に耐えかね、親友と一緒に“理想の妻”をでっち上げる。実在しないエマリンは文句も言わないし、身体が弱くて人前には決して出ないのだ。アレックスはその状況に満足していたが、ある日屋敷に帰ると、いないはずの“理想の妻”──ブロンドで驚くほどの美女、エマリンがいた。("Something About Emmaline" by Elizabeth Boyle,2005)



 なかなか小技のきいたプロットに、あっさりだまされてしまいました(´д`;)。
 いや、どんでん返しってわけじゃないし、ミステリーでもないので、そういう驚きとはちょっと違うのですが、それでも(あそこに)すっかりだまされたのは確か。ロマンス小説は割とプロットのひねりや小技とは無縁なものなので、久々に小説を読む時の醍醐味を味わった気がします。ラスト近くの盛り上げ方も、感情的にこじれるのではなく、エピソードや伏線を巧みに重ねているので、ストレスがなかった。ああ~、こういうのも久しぶり~。
 けっこうたくさん登場人物がいるんだけど、それぞれちゃんとキャラが立っているし、ごちゃごちゃした感じもしない。もちろんヒロインもヒーローもいいですよ。特にヒロインは、賭博師で詐欺師という小悪党だけど憎めない。ヒーローはそんなヒロインに振り回されて、「堅苦しい」との評判を徐々に壊していく。
 ヒーローは親友と一緒に、外国で行方不明になった貴族の娘を架空の妻にすることを考えつく。「そんなことするなら適当な結婚した方が早くない?」とツッコまれもするんだけど、実は彼自身が一番、本当の“理想の妻”を求めていたということで──堅苦しいどころか、とてもロマンチストな男。ヒロインを追い出そうとしてもうまくいかず、ずるずるとハマりこんで、だんだんウキウキしてくる様子はかわいらしいです。
 最後の解決ももっとトリッキーにするんかな、と思ったけど、そこら辺はロマンス小説らしく都合よかった。まあ、それまではとっても面白かったから、これは許せる範囲かなあ。
 スピンオフも買ってあるので、続けて読みますよ!
(★★★★)
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tag : ヒストリカル オーロラブックス(宙出版) ★★★★

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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