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2010 · 09 · 01 (Wed) 19:16

●『戦士と誇り高き王女』キャサリン・コールター

●『戦士と誇り高き王女』キャサリン・コールター(ランダムハウス講談社)
 916年キエフ。ヴァイキングの商人メリックは奴隷市場でやせこけた少年を見かける。ひどくみじめな様子なのに瞳は美しく、眼光が鋭い。メリックは太った商人に買われていく少年に追いすがった弟らしき子供を買い、その夜、商人の家から少年も救い出す。("Lord Of Raven's Peak" by Catherine Coulter,1994)
・〈ヴァイキング〉シリーズ第2作

 タイトルですでにネタバレなんですけど、いいのかな(^^;)。まあ、すぐにわかることではあるんですが。
 つまり、少年──ヒロインのラーレンは王女さまというか、初代ノルマンディー公ロロの姪。二年前に弟(ロロの継承者第二位)とともに誘拐されて、奴隷として売り飛ばされてしまったのでした。そこには当然、陰謀がある。それとともに、ヒロインが連れていかれたヒーローの故郷で起こる殺人事件についても謎があります。
 相変わらずコールターのヒロインは強い。前作『戦士と美しき人質』のヒロインも強かったけど、こちらも負けていません。「わたし」より「わらわ」が似合いそうな女の子(18歳)。ヒーローも強いんですが、女性が奴隷じゃなくても虐げられる時代の強い女子というのには、存在感で勝てない(24歳と若いし)。ヒーローとしての優しさを描くと、どうしてもそうなっちゃうよね……。でもこの図式、嫌いじゃありません。むしろ、思いっきり強い女性が読めるのが楽しい。人によってはきついかもしれないけどね(´∀`;)。
 例によって展開は限りなくシュガーレスなんですが、途中で二人が結婚したあと、ちょっとだけ甘かった。でも、すぐ元に戻ってしまった(^^;)。謎ときが忙しい。とにかく怪しい人が多すぎる。みんな動機がありそうで、なかなか気が抜けない。
 けど、ヒロインが巻き込まれた殺人事件の犯人は、あの人であってほしくなかったなあ。いや、それしかないとは思ったんだけど、そう思いたくないというか……ヒロインと同じ気持ちになりました(・ω・`)。
 詩人としての才能もあるヒロインが語る物語も面白かった。作家兼演出家兼俳優であるこの頃の詩人はスターだったのね……。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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