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2010 · 09 · 05 (Sun) 19:24

●『ほほえみを待ちわびて』スーザン・イーノック

●『ほほえみを待ちわびて』スーザン・イーノック(二見文庫)
 両親を亡くして以来、家庭教師として働きながら一人で生きてきたアレクサンドラ。放蕩者として名高いキルカーン・アビー伯爵ルシアンの従妹をレディに育てるため雇われたが、彼は従妹のことなどそっちのけでアレクサンドラを口説きまくる。("Reforming A Rake" by Suzanne Enoch, 2000)
・〈リング・トリロジー〉第1作

 三部作(トリロジー)の第一作らしいのですが、シリーズタイトルはわからず……。続きが出ればわかるかな。第2作が出てわかりました→『信じることができたなら』
 ヒーロー、ヒロインにひと目惚れして口説きまくり。でも言うことがド直球なので、口説いているというより、気のいいセクハラおやじのようです(^^;)。ヒロイン、口では負けていませんが、「愛している人としか結婚しない」と固く思っているので、ヒーローの思うとおりには動いてくれない。
 放蕩者が自分の適当な発言にあとで首絞められる、という状況が好きです。自覚がないのにしても「妻は跡取りのための道具」とか、どうして迂闊にそんなこと話しちゃうかな(^^;)。信頼度マイナス100くらいからのレベル上げに苦しむ姿はツボです。プライドのパラメータを下げればけっこう楽に上がるはずなのに。
 割とそういうテンプレな作品ではありますが、後半にヒーローが何とかヒロインのためになろうとしていろいろやって墓穴掘りまくり、というこれまたツボな展開もあり(´д`*)。
 とはいえ、実はヒーローにしてもヒロインにしても、意地を張る理由──特にヒロインの方はわかりにくかった。ヒーローの場合は、あまりにもありきたり(ひどい両親を見てきたから)だったのがかえって気になったという感じかなあ。従妹とその母親につらく当たるのですが、何か別の理由があるのか、と思ったんだよね。でも、別に何もなかった。あ、けっこう単純な人だったんだ、とあとからわかってきましたが(^^;)。
 けどヒロインは──頑固、とひと口に言うのはちょっと違うかなあ、と。一番わかりづらかったのは、愛した人と結婚しただけなのに母を見捨てた伯父(公爵)に対する鬱積というか、何だかモヤモヤした気持ち?(モヤモヤというのは、私がそう思っただけ) これがうまくつかみきれなかったというか──もう少しでわかりそうでわからなかったというか。後半にヒロインが「ハッ!」と気づくところがあるんですが、それはよくわかった。状況は一つも変わってないけど、何だか腑に落ちた瞬間、という奴。ただ、どう腑に落ちたのかがわからなかった(^^;)。読み落としたのはそれとも意図的だったのか……それすらも。
 そこら辺はちょっと気になりましたが、あとは楽しく読めましたよ。スーザン・イーノックは今のところハズレがないなあ。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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