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2010 · 09 · 10 (Fri) 07:14

◆『誘惑のモロッコ』ミランダ・リー

◆『誘惑のモロッコ』ミランダ・リー(ハーレクイン)
 オーストラリアで乗馬学校を経営するベスは、自分の理想の馬を買うため、エジプトを訪れていた。ある牧場で見つけた馬に彼女は目を奪われたが、その馬主にも強く惹かれる。彼の名はアザイア。彼はベスを自分の城に滞在するように誘った。彼女はそれが何を意味するかわからぬまま、承知する。("Beth And The Barbarian" by Miranda Lee,1993)

『ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊 愛は華麗にII』アニバーサリー・コレクションの一編。
 ヒーロー、シークです。苦手なシーク……。
 けど、今回これを読んでみて、どうしてシークものが苦手なのか、ちょっとわかった気がしましたよ。私はシークが苦手というより、ヒロイン──つまり、欧米女性が抱いているアラブ人というか、異文化全般に対する考え方になじめないのかもしれない。
 ヒロインは最初ヒーローのことを「野蛮人!」と思っているんだけど(しかもかなり狭量な決めつけで)、お話が進むにつれて「一人の人間として私たちと変わらない」と考えを改める。それはもちろんいいんだけど、その始まり方とまとめ方に、異文化を異文化のまま受け入れるのではなく、自分たちに合わせようとしているという印象が(この作品では)あったのです。
 私は日本人なので、考え方はやっぱり欧米人とは違う。もちろんアラブ人や他のアジア人とも違うけど、おそらく欧米人にとって日本もそこら辺もみんな異文化の範疇に入ってるんだろうな、と思います。
 ヒロインが「野蛮人!」と思う気持ちを改めるのと、ヒーローの因習からの女性への態度を改めるのは、欧米人からすると公平な地ならしなのかもしれないけど、どうもなんか違和感があるんだよねえ。いや、ともにそれを改めるのはいいことだと思いますが、異文化への偏見と染みついた価値観を同じ次元で片づけていいんだろうか? という疑問がどうしても残るのですよ。
 ロイヤルものが苦手なのも、多分同じ理屈かもしれない。日本は皇室があるから、「一般人と違って当たり前でしょ!?」みたいな意識があるけど、結局上からひきずりおろして次元を同じにしてしまう。恋愛なんだから、対等にならなきゃとは思うけど、乗り越えなきゃならない価値観が常識と違うのなら、乗り越え方も違って当然なんじゃないかな。
 ロマンスだとわかってはいるんですが、せっかく異文化や違う階級を扱うなら、それなりの特徴というか、独特の世界観が感じられる目線をつい求めてしまうのかもしれない。シークや王子様への違和感は、欧米人フィルターや一般人フィルターへの違和感ということか……。
 でも、日本人がマンガとか小説でこういうキャラ出してもあまり気にならないんだよね(もちろん出来やジャンルにもよりますが)。ケロリとリアルを求めない方向に転換できるよ。それは、なぜだろう。日本人フィルター?(^^;)
 多分、シークも王子様も日本人にとっては「異世界人」ですよ。いや、ぶっちゃけ日本語を話さない人はみんなそうかも(^^;)。けど、とりあえず親切にしとこうかな、と思うのが多くの日本人のような気がする。だから、まず「野蛮人!」とは言わなそうだよね。
(★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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