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△『死者の短剣 惑わし』ロイス・マクマスター・ビジョルド

△『死者の短剣 惑わし』ロイス・マクマスター・ビジョルド(創元推理文庫)
 わけあって家出した地の民の娘フォーンは、街道沿いの農家で休んでいる時に湖(うみ)の民の警邏(けいら)隊を見かける。フォーンは姿を隠していると思っていたが、警邏員のダグは彼女の存在を感じていた。湖の民には不思議な力があり、彼らはそれを世界を滅ぼす悪鬼を倒すために使う。フォーンは悪鬼の手先である泥びとにつかまるまで、それを知らなかった。("The Sharing Knife : Beguilement" by Lois McMaster Bujold,2006)
・〈死者の短剣〉シリーズ第1作



 久々に本格的なファンタジーを読みました。
 実は、こういう異世界ファンタジー──いわゆるハイ・ファンタジーというものにはあまりなじみがない。『指輪物語』は読んでますが──って言ったら、「それ読んでれば充分じゃない?」って言われたことあるけど、えーと、それは本当なのかな?(^^;)
 それはさておき、この作家さんは初めてなのですよね。SFやファンタジーを数多く書いていて、賞もたくさんとっていて、評価が固まっている人。
 なので読み終わったあと、ネットでちょっとだけ感想を見てみたのですが、どうも評価が低い……。この作者の作品としては、ロマンス要素が高くて割と珍しいものらしいです。期待して新作を待っていた人たちからは「物足りない」という声が。
 とはいえ、ロマンスとして読んだ私には、とても面白く思えたけどね。
 ロマンスというか、恋愛ものの萌えという観点からすれば、

『境遇差』
『年の差』
『体格差』


 これらレベルの高い要素を三つも兼ね備えているわけです。『境遇差』は『身分差』みたいなものですが、この作品の場合、地の民と湖の民では人生観も生活様式も能力も寿命まで違うので、ほぼ異種人同士の恋愛ということになります。
 年の差に関しては、後半にヒーローの歳が明らかになるとちょっと引くくらい思い切った差ではありますが、湖の民の方が寿命が長いというフォローがちゃんと入ります。
 体格差は、あまり小説では強調されないものですが(大柄ヒーローに小柄ヒロインというのはよくあるけど)、異種人であることをわかりやすくしたかったのか、割と前面に押し出している気がします。実は私、体格差スキーなんですよね……orz
 ぶっちゃけて言えば、しょぼくれたでっかいおっさんと若くてちっこい女の子のロマンスですよ。さあどうだ! こういうの好きな奴いるだろ? つい萌えてしまう自分を隠していないか!? べっ、別に仲間を増やしたいわけじゃないぞ!
 しょぼくれたおっさん、ってとこもツボなんだよなあ。ヒロインは、オヤジの夢のような女の子ですよ。犯罪的とも言えるか……?

 ──どんどん長くなるけど、内容についても触れないと。
 シリーズタイトルにもなっている“死者の短剣”とは、湖の民が悪鬼を倒すために特殊な方法で作り出す短剣。地の民であるヒロインは、本来それに関わりを持てないはずなのに、なりゆきで彼女が短剣を使って悪鬼を倒した時、中に込められたものは彼女の一部で──という謎がまずあります。
 なぜそれが起こったのか、というのを探る物語は、1巻では全然終わっていないので続けて読むつもりですが、細やかな世界観や心理描写などは、ド適当なパラノーマルロマンスと比べると自分で書いたわけでもないのに恥ずかしくなるほどです(´д`;)。しっかりじっくり書かれているので、異世界というより上品なヒストリカルを読んでいるような気分になる。これで「物足りない」と言われているんだから、他のも読もうかな、と思うよね。
 世に憚るファンタジーやSFとは名ばかりの、いいかげんな世界観や設定のパラノーマルに怒って書いたのでは──なんて穿った見方をしてしまいましたが、ほんと、うまくやればそういうパラノーマルに不満を抱いているロマンス読者を取り込める可能性は、大いにあるんじゃないかなあ。
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ロマンス以外 創元推理文庫 ★★★★ シリーズ

ビジョルド

ぜひビジョルドの「名誉のかけら」を読んでくださいな~。
ビジョルドの初期作ですが、ロマンス色の濃いSFです。
ヒロイン&ヒーローがほんと、素敵なの。むさくるしいけど(笑)。
たぶんロマンス読者の中で一番人気かと思います。

続く「バラヤー内乱」も実に良くできた作品です。ロマンス色は薄くなりますが、ヒロインにほれぼれいたします。

読みます

 にゃんと様
 はじめまして。コメントありがとうございます。
『名誉のかけら』、検索してみました。男前のヒロインみたいですね! むさくるしいのは全然気になりません(むしろ歓迎)ので、ぜひ読んでみたいと思いますっ。
 こうやっておすすめしてもらうととてもうれしいです。楽しみだ~(*´ω`*)。
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
    ★★★★からがおすすめです。
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