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2010 · 11 · 14 (Sun) 07:27

●『夜明けまであなたのもの』テレサ・マデイラス

●『夜明けまであなたのもの』テレサ・マデイラス(二見文庫)
 戦争で失明し、婚約者にも去られたシェフィールド伯爵ゲイブリエルは、田舎の屋敷で家族とも離れ、失意の日々を送っていた。そこへ現れたのは看護師のサマンサ。前任者と同じくすぐに辞めるだろうと思われていたが、決然とした態度でゲイブリエルを叱咤激闘する。次第に彼は自分の境遇を受け入れ、サマンサを愛するようになるが──。("Yours Until Dawn" by Teresa Medeiros,2004)

 かなりの王道です。ちょっとヒネたラストを予想したりしていたのですが、結局王道ど真ん中。それで拍子抜けする時もあるのですが、これは気持ちよく終わりました。ツッコミどころもあるんだけど、「まあ、いいか」という気分になってしまったよ(^^;)。
 ハンディキャップを持ったヒーローあるいはヒロインに基本的に弱い私。ただ、ロマンスの王道だと、治ったりする方がお約束だよね。ていうかこの本の裏表紙のあらすじ、ずいぶん後ろの方まで書いてあるね──お約束とはいえ、どうなんでしょうか、これ(´∀`;)。
 王道ということは、悪い言い方をすれば「ありきたり」ということなんだけど、このカップルの場合、看護師と患者としてだけでなく──という要素があり、特にヒーローが後生大事にとっておいた元婚約者の手紙がいい効果をもたらしています。これもわかりやすい伏線ではあるんだけど、「先がわかってつまんなーい」とは思わなかったんだよなあ、どうしてだろう?
 まあ、キャラにしろ構成にしろ、ちょっとした工夫にしろ、王道と恐れず果敢に丁寧に挑んだ物語を読むのも、読書の快感の一つなんだよね。けど、「うまいなあ」というのともまた違うし(だったらツッコミどころはないはず(^^;))、単に「ツボに入った」と言い切るのももったいないような気がするし……。そこら辺はまだうまく説明できないなあ。

 読んでて美内すずえの『雪の音』という短編を思い出しました。やはり失明したヒーローが出てくるハーレクイン風コミック。とても好きなので、たびたび読み返してます。
 うん、そんな感じなのかも。いつ読み返しても、じーんとしたり、しみじみしたり、ほっとしたりするお話みたいな。この作品だと、最後の手紙がそんなふうになりそうな予感。割とテーマが重くても、それを感じさせずに心地よく読ませてくれる作品というのも、「王道」と言えるかもしれません。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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