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2010 · 12 · 04 (Sat) 14:30

◆『ひれ伏した億万長者』リン・グレアム

◆『ひれ伏した億万長者』リン・グレアム(ハーレクイン)
 グエンナの父がある会社から横領の罪で告訴された。何とか取り下げてもらえないかとその会社を訪ねると、経営者のアンジェロ・リッカルディ自らが彼女を出迎える。数日前に偶然出会っていた二人だったが、アンジェロはグエンナにこう言い放つ。「きみが僕の愛人になるなら、告訴を取り下げてもいい」と。("The Italian's Inexperienced Mistress" by Lynne Graham,2007)

 再読です。忙しかったので、筋がわかっている作品を読んで気を紛らす作戦のつもりだったのに、ついつい一気読みしてしまって、作戦大失敗(-ω-;)。
 しかし、何だか妙に腹が立つ話です。ヒーローはもちろん、横暴な奴ですよ。母の復讐のためにヒロイン父を告発し、その見返りにヒロインを愛人にする。その原因を作ったヒロイン父も相当なろくでなしですが、ヒーローに対してあることないことを吹き込んだヒーロー祖父もひどい。
 そして、ヒロインにも腹が立つというか、イライラするというか──まあ、イライラするのは楽な方に流れる口先だけの父親を盲信している部分なんですけどね。傍から見たら、いいように利用されてるだけって丸わかりなのに、それを許してしまうなんて……何だか痛い女の子で(´ω`;)。
 かわいそうな境遇(母親は父の愛人。母が亡くなってから父に引き取られる)なので、父の悪い面を見たくないって気持ちもわかるんだけど、そこまでされて我慢できるって現実逃避としか思えない……。こういう性格にしなくてもお話は進むはずなのに、なぜこんな痛い子にしたんだろうか。
 その痛い子に振り回されるヒーロー。自分のやることがすべて一番と思っている尊大ぶりが鼻につく。しかし、それがヒロインによってペシャンコにされるのは楽しかった。高級なペントハウスも高価な服も宝石も喜ばず、小さい雑種の飼い犬ピグレット(私の頭の中ではチワワ系)が自分より優先されるのを見て地団駄を踏む。初めての夜も「俺にはテクニックがあるから絶対痛くしない」と豪語したのに、あっけなく失敗、痛くて涙ぐんだヒロインに謝る、というのがネットで話題になっていたなあ(´∀`;)。
 とにかく、何をしても彼女に関してはうまくいかない、そして、自分のやることがすべて一番ではない、と自覚してようやく素直になって、めでたしめでたし。リン・グレアムらしくて、ある意味安心できる作品です。こんなに腹が立つのに「安心」って変だけど(^^;)。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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