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△『ライトニング』ディーン・R・クーンツ

△『ライトニング』ディーン・R・クーンツ(文春文庫)
 ローラは生まれた時に母を失い、愛する父も12歳で亡くし、孤児院で育った。過酷な人生は彼女の才能を育み、今や人気作家として名を馳せている。結婚して息子にも恵まれた。だが、その幸せの影には、彼女の危機を救うため、雷鳴と閃光とともにやってくる“守護の使い”がいた。("Lightning" by Dean R. Koontz,1988)



 どうせ更新が滞るから、と思って長い本を選んで年末から読み始めて、やっと今日読み終わりました。長かった……orz ロマンスは読みやすいよね(´-ω-`)。
 何で急に思い立ってこの本を買ったのか、自分でもよくわからない。日本で出版されたのは1989年。当時、私はスティーヴン・キングに夢中だったので、少し作風が似ていると言われていたクーンツはそれほど読んでなかった。印象に残っているのは、『ウォッチャーズ』くらいかなあ。これは大好きだった。オラフ・ステープルドンの名作『シリウス』と合わせて読みたい犬SF(?)の傑作。
 この『ライトニング』は、当時友だちがほめていたような記憶があったので、「読んでみよう」と思ってそのまま、というのを思い出したのかもしれない。
 タイムトラベルものです。でも、ローラの“守護の使い”であるシュテファンは未来から来るのではなく、過去からやってくる。1944年のベルリン──ナチスが支配するドイツから、1955年~1989年へ。これはなかなか面白い設定だった。そのおかげで、内容に歴史的な矛盾や古さがないのです。
 しかし、リアルさはさらにない(´∀`;)。それに、今の時代に読むにはスピード感が足りないかも。特に前半。ローラの幼少期から若い頃をじっくり描いて読み応えはあるんだけどね。当時はこれで充分なテンポだったはず。
 でも、後半の盛り上げは、ハリウッド映画的な派手さがあって、楽しめました。タイムパラドックスに突っ込むのは野暮ってもんです。
 ただ気になった大きな点が二つ。いや、一つか? シュテファンがローラの人生を改変した理由「彼女に恋をしたから」がわかった時、
「ええーっ、そんだけー!?(´д`;)」
 と思ってしまった。もっと何か歴史的な意味があったりするかと思っていたので、「それだけ」というのには正直拍子抜けしました。もちろんそれは、シュテファンがそれまで歩んでいた人生とは正反対の選択をし、ナチが歴史どおりに敗北することになるんだから、ちゃんと意味があるんだけど、読んでる最中は何だかうまくつながらなくて。
 その理由は、彼が初めて見た時のローラをそのまま受け入れなかったことにひっかかったからです。彼女は、生まれた時の医療事故で車椅子生活をしていたんだよね。
 ナチの親衛隊員であり、レールに乗ったエリートだった彼は、単純に「歩けるようにしてあげよう」と考えただけかもしれないけど、一度手を出してしまうとそのあともずっとフォローしなくちゃいけなくなる。その成り行きで、祖国を裏切る方向に陥っていくんだけど、その過程やローラとの交流の中で「あのままの彼女を受け入れていたら」という気持ちをちらっとでも出してほしかった。
 どんな人生であっても、作家として生き、素晴らしい作品を書いたあの時の女性に彼は惚れたわけだからね。その彼女はもういないということを忘れてほしくなかったし、そのまま愛してもいいじゃん、ともつい思ってしまったのでした。
 ロマンスの要素はあるけど、メインではないので、しょうがないんだけどねえ。
(★★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ロマンス以外 文春文庫 ★★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
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