09
1
2
3
4
5
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
23
24
25
26
27
28
29
30
   

●『家路を探す鳩のように』リンダ・フランシス・リー

●『家路を探す鳩のように』リンダ・フランシス・リー(扶桑社ロマンス)
 1891年、アフリカ。コンゴ自由国最大の港マタディを目指して、フィニアは列車に乗っていた。そこから船でアメリカのボストンへ行く。父を亡くした彼女は、19年間会っていない母の元へ帰るのだ。列車の中で友人が頼んだガイド、マシューと会ったフィニアは、その美しい顔に走る無惨な傷を見て、彼こそが噂に聞く“ムズング・キチャー・ムウェニエ・コヴ”であることを知る。("Dove's Way" by Linda Francis Lee,2000)
・〈ホーソーン兄弟三部作〉第1作



 冒頭部分にはいろいろなことが詰まっています。短いあらすじでは書き切れません。
 このあらすじの直後、列車は脱線し、救護隊が来るまで二人はジャングルで一夜を過ごします(怪我をして、まるで死にたがっているようなヒロインを励ましながら、というのはのちに明らかに)。二人はいったん別れ別れになりますが、ボストンで再会。ガチガチの上流階級の中でのはずれ者──ヒーローはスキャンダルにまみれた妻との死別によって、ヒロインは礼儀作法も知らない野蛮な存在として。
“ムズング・キチャー・ムウェニエ・コヴ”というのは、アフリカの言葉で「傷跡のある、いかれた白人」という意味です。ヒーロー自身も、ヒロインに負けず劣らず自暴自棄な状態でアフリカへ行ったとわかります。ここからあと500ページくらいあるのに、なかなかの情報量です(^^;)。
 ヒロインは母に認められるため、ヒーローに礼儀作法のマナーを教えてもらおうとする。よくあるレッスンものなのかしら、と思うと、全然違います。二人ともかなりハードでヘヴィな過去があり、ヒーローの娘も心が傷ついています。この三人による家族再生の物語。
 前半は二人が結婚するまで、後半は娘も入れての新婚生活の始まり、という構成になっていて、読み応えたっぷりです。過去がかなり重い割に、そんなに暗くならないのは、やっぱりヒロインのおかげかな? 根拠のない堅苦しい礼儀や体面ばかりを重んじる社交界と真逆な、現代女性に近いヒロインをヒストリカルに出すためのアフリカ育ちという設定なんでしょうが、そういう女性がその当時本当はどんな人なのか、よほど歴史にくわしくないとわかんないもんね(^^;)。うまい逃げ……ゲフンゲフン、設定が思いついたものです。
 ちょっと笑ったのは、ヒロインとヒーローのレッスンの時の会話。

「まず第一に、腕はぶらぶらさせずに脇につける」
「わたし、腕をぶらぶらさせているの?」


 無意識!? まやや(by『海月姫』)かよ! と突っ込んでいたのですが、家族に話をしたら、「力石徹?」と言われてしまった。ぶらぶらって、そっち……?(´д`;)
 まあ、そんな感じ(?)の妙に明るい雰囲気があります。長いですけど、つらくならない読み口。
 もっと感動作になってもいい作品ではないか、とも思うんですけど、そうなると重すぎる気がするし……このくらいがロマンスとしてはちょうどいいのかもしれません。
(★★★★)
web拍手 by FC2

theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル 扶桑社ロマンス ★★★★ シリーズ

Secret

文字を大きく・小さく

    Twitter&ランキング



    いつもありがとうございます♪


    書評・レビュー ブログランキングへ

    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
    にほんブログ村

    最新記事

    カテゴリ

    ユーザータグリスト

    最新コメント

    最新トラックバック

    リンク

    RSSリンクの表示

    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    検索フォーム

    English Translation

    English English得袋.com

    アンケート

    QRコード

    QRコード

    FC2カウンター

    カレンダーと月別アーカイブ

    プルダウン 降順 昇順 年別

    08月 | 2019年09月 | 10月
    1 2 3 4 5 6 7
    8 9 10 11 12 13 14
    15 16 17 18 19 20 21
    22 23 24 25 26 27 28
    29 30 - - - - -


    プロフィール

    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
    ★★★★からがおすすめです。
    くわしい注意書きは→コチラ
    リクエストは→コチラ

    最近読まれている記事

    ブログパーツ

    最近の拍手ランキング

    人気の記事

    本ブログ村PVアクセス

    ユーザータグ

    ★★☆ ロマンス映画 ★★★☆ ★★★ シリーズ コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ヒストリカル ライムブックス ★★★★ ★★★★☆ 扶桑社ロマンス 新潮文庫 サスペンス/ミステリ 資料用 ロマンス以外 角川文庫 ★★★★★ ハヤカワ文庫 マグノリアロマンス フローラブックス 創元推理文庫 集英社文庫 パラノーマル アンソロジー 二見文庫 ヴィレッジブックス ★★ MIRA文庫 ランダムハウス講談社 ラズベリーブックス その他の出版社 ★☆ ソフトバンク文庫 サンリオ 文春文庫 ラベンダーブックス ラベンダーブックス(幻冬舎) オーロラブックス(宙出版) 講談社文庫