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2011 · 01 · 12 (Wed) 14:35

●『夢の求婚者』ジョージーナ・デボン

●『夢の求婚者』ジョージーナ・デボン(ハーレクイン)
 父と兄が作った賭博の借金のため、エマは妹によい結婚相手を探そうと尽力していた。借金を返すあては数年前にもあったが、自ら婚約破棄した時から、自分の結婚はあきらめていた。だが、元婚約者の弟であるチャールズは、結婚するつもりもないのに妹の気を引こうとする。その行為は彼女たち姉妹の評判を下げることになるのに……。("The Rake's Redemption" by Georgina Devon,2007)

 本の裏表紙のあらすじではヒロインのアホな兄がヒーローに決闘を申し込んで云々、ということまで書いてありますが、そこにたどりつくまで半分くらいかかる。基本的にヒーローとヒロインのじれじれな意地の張り合いが話の柱です。
 ヒーロー、かなり子供っぽい。その気も借金を返す財力もないのに妹にちょっかいを出した理由は、そうするとヒロインが怒るからです。彼女がカッカする様子が見たい。つまり、かまってもらいたいから意地悪しちゃうガキそのもの。巻き込まれた妹はいい迷惑。のぼせあがって評判を落としてしまう。
 意地悪するのはいいんだけどさー、周りを巻き込むのはやめてほしいよねー(´д`;)。妹が本気だったら、シャレになりませんよ。だいたい、自分の兄貴が別の女性と結婚するためにヒロインから婚約破棄してもらった恩義があるんだから、もう少し気を遣ってもいいんじゃない? そういう配慮もできない男って、ガキという前に人間としてどうなの?
 ヒロインも自己中な家族を甘やかし過ぎ、と思うけど、ヒーローに比べればイライラ感は地味め(^^;)。
 けっこう泣けたりしたんですが、イライラも多くてちょっと消化不良気味。この本だけでは詳細はわからないのですが、スピンオフがたくさんある作品のようですね。私は話がつながっているシリーズでなければ、別に途中から読むのはかまわないのですが、他の作品を読んでいる人のためのサービスシーンが、「おなじみさんには楽しいけど、一見さんは置いてけぼり」という状態になっているのは困るなあ、と思います。これは少しだけそんな感じだったような……。サービスはうれしいですよ。やはり多い少ないのバランスだよねえ。

 ところで、「評判」というのをとにかく気にする社交界という狭い世界は、まるで学校のようだなあ、と思いました。モラトリアムめいた貴族の価値観に縛られて、そこからはずれると生きていけないように感じ、噂の標的はめまぐるしく変わり、たかが人生のうちの数年が今後のすべてを決めてしまうように思われてしまう、とかね。一生学校から出ていけない、となると仕方ないのかもしれないけど。
(★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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