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◆『ボスとふたりで』マドレイン・カー

◆『ボスとふたりで』マドレイン・カー(ハーレクイン)
 エイミーは新しい仕事の面接のため、香港へやってきた。秘書としての能力をもっと生かしたいと思って応募したのだが、大幅な遅刻。もう面接はとっくに終わっている、とあきらめて空港に降り立つと、アントン・ツェル社長自らが彼女を迎えに来ていた。彼はエイミーをその場で雇い入れ、さっそく出張へ連れていく。("The Millionaire Boss's Mistress" by Madeleine Ker,2004)



 舞台が珍しく香港。いや、日本が舞台じゃなければ、違和感があるかどうかはまったくわからないんですけどね(´∀`;)。(ヒーロー、最初中国系かと思ったけど、そうじゃなかった)
 わからないといえば、ヒーローがいったい「秘書」に何を求めているのかも。
 初めて会った日の夜、こんなことを言ってます。

「女性とつき合う余地も時間もない……男に結婚の確約を求めるような女性という意味ではね。だが孤独ではいられない。(中略)ぼくが個人秘書にいちばんに求めるのは、いっしょにいて居心地がいいことだ。長い時間そばにいて、ぼくを楽しませ、うまくつき合ってくれること。これは非常に特殊な関係だ」

 微妙な言い回しですが、これを聞いて「秘書兼愛人」を求めていると思う人はかなりいるはず。じゃあ、ヒロインの前任者(元モデル)も彼の仕事と生活(主に夜)の面倒を見ていたのか、と疑問を持つよね。
 このシーンから三ヶ月ほどたったのち、非常に高価な翡翠のバングル(“アントンからエイミーへ”と文字が彫られている)をプレゼントされたヒロインのセリフに答えてのこんな会話。

「妻への贈り物ならすばらしいけれど、雇い主から従業員に贈るものではありません」
「きみは妻のような存在だと思っているんだ」
(中略)
「あなたは“妻のような存在”と言ったけど、結婚せずに妻が欲しいんでしょう?」
「きみは誤解している。ぼくが欲しいのは妻のいない結婚だよ」

 いったい何が欲しいんじゃあ(゚Д゚)ゴルァ!!
 だいたいこの時点でヒロインとヒーローはベッドをともにしてません。これらのセリフがあってのプレゼントじゃ、「秘書だけじゃなく、そろそろ愛人にもなってくれない?」みたいな誘いにしか見えないよね。でも、のちの彼の告白から察すると、この頃はひと目惚れした彼女への気持ちを自覚したあたりではないかと思うので、これはおそらく、とにかく自分を好きになってもらいたい一心でのプレゼント……。何という逆効果(^^;)。
 この言動や、ラスト近くの傷つきようからすると、割と不器用で純情な男にも思える。歳は40代前半だというのに(ヒロインは28歳)。
 二人ともいろいろ苦労した大人で、淡々とした筆致が雰囲気に合っています。もしかしたら、再読の方が面白いかもしれません。
(★★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
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