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2011 · 02 · 12 (Sat) 16:18

●『天翔ける白鳥のように』リンダ・フランシス・リー

●『天翔ける白鳥のように』リンダ・フランシス・リー(扶桑社ロマンス)
 1892年。ヨーロッパで演奏活動をしているチェリストのソフィは、父親から故郷ボストンへ呼び戻された。帰郷した彼女は、自分のものであったはずの屋敷〈スワンズ・グレイス〉を父が売ってしまったことを知る。持ち主の幼なじみグレイソンとの婚約話も進んでいると聞き、ショックを受ける。("Swan's Grace" by Linda Francis Lee,2000)
・〈ホーソーン兄弟三部作〉第2作

 ヒロインのソフィは、小さい頃から「天才」と言われてきた女の子。
 でも、ボストンの上流階級では、そういう子は除け者扱い。母親が彼女の才能にのめりこむあまり、家庭もうまくいかない。母が死んでから父親との確執は深まり、遠いヨーロッパで、自分を知らない人たちの中で独自の演出を施したコンサートを成功させます。
 後半も後半、もうラスト近くになって気づいた。

「ヒロイン、のだめか──(´∀`;)」

 のだめとそっくりというわけではありませんが、才能の豊かさと引き替えにしたような生活能力のなさや墓穴の堀り方は似ているというか、こういう人には共通するものがある。それを自覚している故の奇矯なふるまいや言動を理解できない人にとっては、単なる「やっかい者」「変な子」「イカレた娘」「痛い女」「めんどくさい人」でしかない。
 最初に気づけたら、ヒーローのことを千秋先輩と思って別の楽しみ方ができたかもしれないのに──ああ、残念……orz
 ヒーローは音楽家ではなく弁護士ですが、名門ホーソーン家の長男として父から完璧を求められ、それにしっかり応える男性(ほらー、千秋先輩ぽい(´д`;))。前作『家路を探す鳩のように』でも書かれていましたが、父は彼に厳しすぎる。16歳の時に、理由も説明されず家を追い出されてしまいます。一文無しだった彼を助けてくれたのは、まだ子供だったヒロインが毎日手配してくれたバスケット──お弁当。
 子供の頃、いじめられていた彼女を助けてあげたりしてたからお互い様なのかもしれないけど、ヒロインの一番つらかった時を気づいてあげられなかったヒーローは少し鈍感だったかもしれない。でも、働きながら大学へ行って、父親に認められるため必死にがんばっていた時期でもあったんだよね……。
 結局、その時彼女を支えられなかったために、5年後ゴタゴタするわけです。
「結婚しろ!」
「しないデスよ、ムキャー!」

 みたいな(´∀`;)。
 ただこのゴタゴタの描き方がちょっと引き延ばしっぽかった。『「あとで話そう」の「あと」はいつも遅すぎる』フラグばかりという感じで。ここら辺は少しイライラしましたが、後半の展開はよかったです。ヒーロー母の行動に隠された秘密や、ヒロインのコンサートシーン、そして特によかったのは、母の言葉から一気に自分とヒロインの気持ちを理解するヒーローのシーン──。
 しかし、そこに行くまでが少々長い気も……(´д`;)。軽い読み口なんですけどね。評価はのだめに免じて(?)甘めですが、人によっては地雷が埋まっているかもです。

 前作ではアフリカ帰り、今回は天才チェリストと、ヒロインが「変な子」であっても多少許される設定にしているこのシリーズですが、次は三男ルーカスのお話。今度はどんな「変な子」なのかと楽しみです(´∀`)。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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