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●『真夜中にワルツを』ジャッキー・ダレサンドロ

●『真夜中にワルツを』ジャッキー・ダレサンドロ(二見文庫)
 殺人事件の捜査をきっかけにボウ・ストリートの巡査ギデオンに心惹かれた伯爵令嬢ジュリアンは、身分違いとあきらめていたが、あることをきっかけに彼の警護を受けることになる。だが、彼女は親に決められた公爵との結婚を2週間後に控えていた。("Seduced At Midnight" by Jacquie D'Alessandro,2009)
・〈メイフェア〉シリーズ第3作



 基本的にヒーローヒロイン二人がずーっとムラムラ悶々とするお話です。
 ヒーローの方が身分が低いとその点をどう解決するのか、というのが気になるものですが、この作品については他に大きくひっかかる点があり、それがどうしても払拭できないまま終わってしまった。
 それは、あらすじに「あること」と書いたヒロインがヒーローに近づくために施した手段です。ご近所(高級住宅街メイフェア)で起こった殺人事件の聞き込みに来た彼に会って、ヒロインこう思ってしまった。

「うちでも何か怪しいことがあったって言えば、彼がまた来てくれる!」

 ──無邪気な嘘といえばそうなのかもしれないけど、人が一人殺されているわけですよ。その人(女性)とヒロインは親しくなかったようですが、少なくともご近所であるのは確か。そんなに高潔な女性ではなかったかもしれないけど、彼女の死を嘆いている人はいるはずなんだよね(一応根拠あり)。「早く犯人を捕まえてほしい」「彼女の無念を晴らしてほしい」と願ってだっているでしょう。万が一願ってなかったとしても、それでも人の命は重いものです。
 その捜査を妨害するための嘘ってどうなの!? 自分の親しい人が死んでんのにこんなことされたら、腹立つよね? そうだよね!?
 まあ、結果的にその嘘から真実が見えてきて、という方向に行ったし、その「嘘をついた」ということを最後にはヒーローに告白して許してもらってもいるんだけど、それは単なる結果です。私がどうしてもいやだったのは、ヒロインが一度も殺された女性のことを考えなかったということ。「嘘をついた」ことは後悔しても、「殺された女性をダシにした」ということは気にしない、というのがどうにもねえ……(-ω-;)。
「彼女の死のことを全然考えない嘘をついてしまった、どうしよう」と自分でちゃんと気づいたのならば、世間知らずのお嬢様(もうほんとお嬢様。犬に毛皮のコート着せたりして)の恋故の過ちとして許せたかもしれないけど、そのことはどさくさにまぎれて忘れられているような雰囲気。だが、私は忘れないぞ!ヽ(`Д´)ノ コマい奴と言われようともっ。
 このシリーズは前2作(『夜風はひそやかに』『琥珀色の月の夜に』)が面白かったので、ちょっとがっかりしてしまった……。次のヒロインも、ちょっと頑なな感じで不安だ……。読むけどねっ。
(★★☆)
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genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル 二見文庫 ★★☆ シリーズ

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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