Top Page › 読書の感想 › さ行の作家 › ●『愛とためらいの舞踏会』シェリル・ホルト

2011 · 03 · 14 (Mon) 10:37

●『愛とためらいの舞踏会』シェリル・ホルト

●『愛とためらいの舞踏会』シェリル・ホルト(扶桑社ロマンス)
 貴族の愛人を長年やってきた母が亡くなり、マギーは静養のため母の友人アンとともに海辺の村を訪れる。この休暇のあとは現実に向き合わなくてはならない。つかの間それを忘れたい彼女は、海辺で魅力的な男性と出会う。甘い時を過ごした二人だったが、彼は別れも告げずに去っていく。ロンドンに戻ったマギーは、やはり自分は誰かの愛人になるしかない、と決意したが、紹介されたのはあの時別れたベルモント侯爵アダムだった。("My Only Love" by Cheryl Holt,2000)

 ヒーロー、ひとことで言えば「馬鹿正直」。そして鈍感で、融通のきかない唐変木。
「バカ」「馬鹿正直」はちょっと違うけどね。決してバカっぽくは見えなかった。柔軟性がないというか、視野が狭い。暖かい家庭や優しい愛情を知らないまま育った彼なりの処世術なのかもしれない。
 それを大きく包みこもうとするヒロインが魅力的。彼を愛することに対して、とても素直で寛容。のめりこむと傷つくとわかっていても愛さずにはいられない。「ロマンティック」と形容されていたけど、私には「しょうがないよ、それでも好きなんだもん(´・ω・`)」という、すべてを受け入れる無償の愛に見えたな。
 ヒーロー、そんな彼女との愛人関係は「自分が結婚するまで」と悪びれずに宣言。侯爵としての義務、役目を小さい頃から叩き込まれた彼は、貴族の庶子であってもヒロインのような女性とは結婚できない(と思いこんでいる)。父の愛人問題に苦しんできた母からの言いつけもあって、「子供できたらほっぽり出すからな(゚Д゚)ゴルァ!!」とまで言います。
 一見ズルいようだけど(ていうかマザコン?(´ω`;))、結局そういう自分の発言や、凝り固まった考え方のせいでじわじわと追いつめられていく。だから、そんなにズルく思えない。むしろ「もっと深みにハマれ」とすら(´∀`;)。
 そもそも、かなり抑圧されて育っているので、激情に駆られると暴走気味になる。ものすごくヒロインのことを愛しているから、リバウンドがハンパない感じです。しかも、それをコントロールできない。反省も足らないから学習能力も低いです。ていうか、できない、知らないんじゃないかな? 「反省? 何それ、おいしいの?」みたいな。
 単純といえば単純なんだけど、それ故に追い込まれる状況には溜飲が下がります(´∀`)。「ふふふ、苦しめ苦しめ」と苦悩ヒーロースキーな私、久々に萌えましたよ。しかも、自分で蒔いた種だし。
 それから、男性キャラクターをスピンオフに使い回さず、容赦ない展開にしているのがとてもよかったです。2、3冊書けるプロットが入ってる。
 男たちの都合に翻弄される純真なヒロインと、ある意味「改心もの」と言えるヒーローの暴走ぶりを大いに楽しみましたよ。
(★★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

Comments







非公開コメント