Top Page › 読書の感想 › メアリー・ジョー・パトニー › ▲『今宵、魔法をかけて』メアリー・ジョー・パトニー

2011 · 03 · 17 (Thu) 16:13

▲『今宵、魔法をかけて』メアリー・ジョー・パトニー

▲『今宵、魔法をかけて』メアリー・ジョー・パトニー(ランダムハウス講談社)
 1745年英国。魔導師の一族に生まれながら魔力を持たないグウィンは、強大な魔導師と言われるダンカンと出会う。強烈に惹かれながら、恐れも感じたグウィンは彼を遠ざけようとするが、魔導師評議会は二人に「定められし宿命」があると感じ、結婚することを彼女にすすめる。("A Kiss Of Fate" by Mary Jo Putney,2004)
・〈魔導師〉シリーズ第1作

 ヒストリカルなのですが、ファンタジー要素が強いので、パラノーマルにしておきました。
 実際に起こった「ジャコバイト蜂起」を下敷きにした物語で、反乱軍と政府軍の勝敗の鍵を気象術使いの魔導師であるヒーローが握り、その力を間違った方向に使わないようにと評議会から「送り込まれて」彼の花嫁になるヒロインのロマンスです。
 ヒロイン、結婚してから実は強い妖術使いの魔導師として目覚めますが、基本は魔導研究の学者です。妖術……マンガやラノベの世界だと、魔物や妖怪の力のように思えますが、ヒロインの場合はいわゆる人心掌握のような術で、特に男性に効果絶大というもの。激烈な色仕掛けみたいなものらしい。使い方間違えると男に襲われてしまうという──めんどくさい魔法ですな(´ω`;)。
 今時のパラノーマルにありがちな適当な設定と何でもありな展開ではないし、ストーリーにも起伏があって面白いんですが、どうも萌えない……。蜂起というか戦争がテーマになっていることが、今の私には重かったかもしれません。けど、読む前に「今読まない方がいい」なんてことわかるわけないしなあ。
 ヒーローとヒロインの魔法が案外「地味」というのも、理由の一つかも。すっごく実用的なんだけどね、天気と人心掌握って。しかし、果たして人の目には「魔法にかかっている」とわかるだろうか? 「大雨が降ってきたなあ」「何だか変なこと言っちゃったなあ」くらいなものなんだよね。地味なのが悪いのではなく、それが実は「すごい」というのもわかるんだけど、ストーリー的な仕掛け──たとえばクライマックスに関わる伏線とかにまで入り込んでいないので、いまいち実感できない。
 魔導師に関しての設定はけっこうしっかりしているので、惜しい作品でした。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

Comments







非公開コメント