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2011 · 03 · 24 (Thu) 13:23

●『ゆれる翡翠の瞳に』キャサリン・コールター

●『ゆれる翡翠の瞳に』キャサリン・コールター(二見文庫)
 1854年、ハワイ・マウイ島。宣教師の娘ジュールは捕鯨船の船長にさらわれ、サンフランシスコで処女オークションにかけられてしまう。そこから救い出したのは、医師のセイント。5年前、彼が島を訪れた時には子供だったジュールは、美しく成長していた。だが彼女は、船旅の間に船長から受けた屈辱的な仕打ちに傷ついていた。("Jade Star" by Catherine Coulter,1999)
・〈スター〉シリーズ第4作

〈スター〉シリーズの最終話です。
『黄昏に輝く瞳』『涙の色はうつろいで』『忘れられない面影』とこれ──シリーズ全部読んでみると、

「とにかくヒロインが、いたぶられるだけいたぶられていたなあ(´-ω-`)シミジミ」

 そう思わずにいられません。
 鬼畜ヒーローのバリエーションに感心する作家さんがいる一方、キャサリン・コールターのヒロインへのいたぶりの多彩さも素晴らしい。しかも、処女オークションとか娼婦見習いとか派手なインパクトのものから、ヒーローが寝言で別の女の名前を呼ぶといった地味でもキツい奴まで、女心の傷口に塩をどっさり塗りたくる勢いです。
 前作のヒーローはドSの極みのような男だったのですが、今回のヒーローは優しくて穏やかな人。お話としては、ヒロインと助けたヒーローがなりゆきで結婚、そのあとのすれ違いと、船長がヒロインをつけ狙って──というもの。だから、すれ違い自体はお互いに気を遣いすぎてというものなのですが、今回のドSは真打ち、作者自身です(´ω`;)。次から次へと不運がヒロインを襲う。特に、助けられたあと、故郷のハワイへヒーローとともに帰るところなんて、ひどいひどい。ヒーローの気遣いも裏目に出たりして、結婚後も孤立無援な雰囲気が漂う。
 だが一番の問題は、ヒーローと気持ちが通じ合って、いたぶりが下火になると、面白さが半減してしまう、ということだ(´∀`;)。後半、コールターの作品にしては珍しく甘めなのに──頭切り替わらん(´ω`;)。

 それから、シリーズ順に読めない人に注意。この作品の冒頭、24ページでいきなり『忘れられない面影』のネタバレがあります。いや、読んでれば「当然そうだろ」みたいなことなんですが、一応ボカしてあったからね。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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