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2011 · 04 · 09 (Sat) 16:03

●『ハーレムの花嫁』アン・ヘリス

●『ハーレムの花嫁』アン・ヘリス(ハーレクイン)
 地中海を渡りキプロス島をめざしていたエレナたち一家を海賊が襲い、彼女はオスマン帝国のハーレムに売られてしまう。父を失い、弟とも引き離された彼女を買ったのは、英国貴族を母に持つ男スレイマン。異教徒など野蛮人だと思っていたエレナにとって、彼の知性や寛大さは意外なものだったが、国に帰してほしいと言う彼女に対してはこう言い放つ。「決してここからは出られない。おまえは私のものだ」("Captive Of Harem" by Anne Herries,2002)

『大人の恋愛小説 DSハーレクインセレクション』の一編。
 シークものが苦手なこともありますが、こういうヒロインがハーレムにさらわれて、というロマンスのファンタジーとして定番の作品を読んだことがなかったように思います。
 例によって「野蛮人!」とヒロインに罵られますが、イギリス人とのハーフなので、いろいろ悩めるヒーローです。父親から望まれている息子としての義務へのプレッシャーや、イスラム教とキリスト教との橋渡しをしたいとか、恵まれた境遇故に見えてこなかったことなども、彼女との出会いから気づいていきます。
 ヒロインもちょっと頭に血が昇りやすいお嬢さんですが、割と柔軟に対応していきます。鉄火肌なので、ハーレムを支配している底意地の悪い寵姫にも敢然と立ち向かう。世間知らずなので怖い者なしという感じですが、この寵姫の意地悪が何だかトゥシューズに画鋲を入れるみたいな稚拙なもので(^^;)。だからか、ハーレムの描写は昔の少女マンガ風。ハーレムのことなんか何にも知らないのに、妙になつかしかったり(思い込み)。
 中世とかシークものでは、尊大だけど実は優しいヒーローと、腹が立つほど勝ち気なヒロインの組み合わせってなかなかいいと私は思っているのです。現代女性の感覚と折り合わせるのは難しそうだけどね。ハーレムの女たちの立場や、宦官とか、改宗しないと結婚できないとか、そういう因習は深く考えているとどんよりしたりするのですが、この作品は展開が早くてあまり気になりませんでした。
 ハーレとして望まれているものてんこ盛りで、少女マンガ好きの初心者の方にも安心しておすすめできます(´∀`)。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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