Top Page › 読書の感想 › ノーラ・ロバーツ › ◆『銀河のおりる草原』ノーラ・ロバーツ

2011 · 04 · 21 (Thu) 10:13

◆『銀河のおりる草原』ノーラ・ロバーツ

◆『銀河のおりる草原』ノーラ・ロバーツ(ハーレクイン文庫)
 流産しかけた双子の妹の面倒を見るため、サマンサは仕事を辞め、ワイオミングの牧場へやってきた。大自然の美しさとゆったり流れる時間に心から魅せられるが、いつかはここを去らなければならない。義弟の牧場に隣接する大牧場の持ち主ジェイクのことが気になって以来、彼女はそう思い続けていた。("Song Of The West" by Nora Roberts,1982)

 ピンと来ないと言いながら読むノーラ・ロバーツ。再読です。
 古い作品ですが、すごく定番のストーリーで、全然その点は気になりません。携帯電話がないくらいかなあ。
 ヒーローは最初に会った時からヒロインのことが好きですが、最後の最後、彼女が都会に帰ろうとするまで気持ちを打ち明けません。自分の女友だちが誤解を与えたというのに気づいていないのか、気づいてても気がきかないのかよくわかりませんが、もっと早く──「愛している」まで言わなくても、「結婚して」くらいは言ってもよかったんじゃないですか?
 ──と、普通ならその気のきかなさに怒り狂うところですが、そういう気分にならないのがノーラ・ロバーツなんだよね……。私が(主に)ハーレのヒーローに怒るのは、やはりその欠点をキャラとして受け入れているからなのです。バカだアホだボンクラだと口汚く罵っていても、リアルにそんな奴がいたら困ると思いつつも、物語のキャラとして確立しているからこそ、人間に対するのと同じような怒りが湧いてくるのです。
 ノーラ・ロバーツの描くキャラクターには、そういう思い入れが湧かないんだよね。小説のまとめ方がすごくうまいのは認めますが、キャラクターはその小説を進めるために存在しているだけって気がしてならない。
 たとえばこの作品なら、どうして前もって「結婚して」くらい言わなかったのか、というのがよくわからない。読んでいる方としては、こじつけと言われようとヒーローの性格とか状況から、たとえ無理あるにしても言わなかったことを「仕方がない」という脳内補完が行われる──というか、それが「したい」。しようという気になりたい。してどうすんだ、と自己ツッコミありでも、「したい」のですよ! ぶっちゃけ、そうなったあとで「それでも!」ともっと怒りたい!(あくまで、私は、ですが(^^;))
 気がきかない奴なら、「気がきかない」っていうところもちゃんと見せてほしいんだけど、そういう抜けたところも見えないんだよなあ。絶対にバカっぽく見せないっていうか。
 ヒロインにしても、どうも苦手で──訳者のあとがきに、
「ロマンス小説のヒロインが強い女に変わっていった功績はロバーツにある」
 と書かれていますけど、私には強いというより単に「プライドが高い」だけに読めちゃうんだよねえ。この性格も、ロマンスの障害の一つとしてしか扱われていない気がしてね……。
 ううむ、どうも穿った見方しかできないなあ。ノーラ・ロバーツのファンの人には申し訳ないのですが。たくさん本が出てるってことは、読まれているわけだよね? けど、私の情報収集が片寄っているせいか、彼女の作品の話ってあんまり聞かないなあ……。ただ、J・D・ロブのはけっこう好きなんですが。
 だから評価には自信ないので、こんなもんです。
(★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

Comments







非公開コメント