◆『ベスと億万長者』スーザン・マレリー

『ハーレクイン・リクエスト 億万長者との恋物語』の一編。
　ヒロインの年齢は、38歳。ヒーローも多分40歳前後で、いつもはたちそこそこのきれいな女の子ばっかり連れ歩いているという評判のプレイボーイ。
　アメリカが舞台だと、チャリティオークションでデートを競り落として誰かにプレゼント、という話はあまり珍しくありませんよね。愛する夫を亡くして意気消沈したままのヒロインのため、デートの練習とでも思って出かけたら、と親友夫婦はすすめます。
　ヒロインは19歳で高校の先輩だった夫と結婚したので、男性経験はおろか、デートの経験すら夫だけ。見るからに難易度の高いヒーローが相手ということで、ビビりまくる。
　幼い頃の家庭環境が冷たく、大人になってからの恋愛でも温かい気持ちを抱いたことのないヒーローは、正直で天然なヒロインに惹かれ、彼女に心底愛されている子供たちをうらやましいと思い、かなわない相手（亡夫）に嫉妬をする。
　もう少し切ない展開になりそうなんだけど、（仕方ないとはいえ）ヒロインがなかなか吹っ切れないのと、とにかく「38歳」という歳のことを気にしまくるところが気になりました。
　38歳──もうとっくに超えている私から言うと、
「全然若いぞ(ﾟДﾟ)ｺﾞﾙｧ!!」
　下と比べるしかないから「もうおばちゃんだよね(´･ω･`)」と思うのは当たり前だし、私も確かにその頃はそう言っていましたよ。でも！　個人差もあるだろうけど、ガクッと下向きになる年齢はまだ先です。38歳は、いろいろな意味で巻き返しが図れる年齢であると私は断言しちゃうな。
　それに、身体がいくら衰えようと、心を柔軟に保つ方法は無限にあるしね。
　ということで、38歳よりも上の人が読むと、カチンと来るお話かもしれません(´∀｀;)。
（★★★☆）