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2011 · 05 · 06 (Fri) 08:54

◆『ブラノック島の真珠』ルーシー・ゴードン

◆『ブラノック島の真珠』ルーシー・ゴードン(ハーレクイン)
 スコットランドの東に位置する美しい小島ブラノック。モラグは老領主ダンカンの看護師をしていたが、島民に愛されていた彼は亡くなり、島を買った男がやってくる。新領主ジャービスは島を手に入れることを長い間熱望していたが、その理由は誰も知らなかった。("Island Of Dreams" by Lucy Gordon,1985)

『ハーレクイン・アニバーサリー・コレクション 恋の相手は…?I』の一編。
 孤独で不器用なヒーローのお話。たった一人の肉親の思い出がある島の領主になったはいいけど、なかなか島民に受け入れてもらえないので、ジモティのヒロインを妻にしようと思い立つ。
 というのは表向き(ヒロインの思い込み)。島に受け入れてもらいたいのも確かだけど、それ以上にヒロインに愛されたいと乞い願う。
 島が主人公の一人のような描き方をするだけでも、物語に深みが出るのよね……。のんびりだけど頑としている人々と優しく厳しい自然に囲まれ、時代に逆行するかのような時間を持つ島そのものと、それを象徴するヒロインの気質が、都会で貧しい生活に反発しながら生きてきたヒーローの心の壁を壊していきます。
 愛の言葉も言えないヒーローは、彼女の島への要望をすべて聞き入れてあげるのですが、ヒロインはそれを「一番大切に思っているのは島」と思う。とはいえ、それは同時に彼も感じていること。後半に出てくる彼女への気持ちがあふれるエピソードや小道具が切ない。

「ぼくを愛してくれなくてもいい。ただそばにいると約束してほしい」

 泣けるセリフだのぅ……。・゚・(ノД`)・゚・。
 シンプルなお話ですが、清々しく温かいです。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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