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2011 · 05 · 07 (Sat) 07:33

◆『いつわりのハネムーン』リリアン・チーザム

◆『いつわりのハネムーン』リリアン・チーザム(ハーレクイン文庫)
 父と継母を亡くしてから、メグは自分の大学進学をあきらめて六歳下の義妹キャロルを養ってきた。だが、キャロルの交通事故の身代わりになったことで仕事を失い、故郷からも逃げ出した。見知らぬ土地で手に入れた仕事は、作家サイモン・イーガンの秘書。彼に惹かれたメグは思いがけないプロポーズに有頂天になるが──。("The Winter Heart" by Lillian Cheatham)

 来月のハーレクイン文庫の新刊だそうなので、以前手に入れた古い版の文庫を読んでみました。でも、原書の発表年が書いてないのだ。日本での出版は1987年(ハーレクイン・イマージュ)。
 悪役というか、自己愛性人格障害としか思えない言動行動をくり返す妹の存在が際立ちますが、ヒロインも最初の方はかなり愚かです。妹に丸め込まれ、交通事故の身代わりを引き受けること自体ダメダメですが、それを知ったボーイフレンドが去っていってしまうことに対して、「もう少し思いやりを持ってくれてもよさそうなもの」を、と思うところが特に。
 まあ、私がヒロインのボーイフレンドで、彼女のことを本気で愛しているのなら、警察に「交通事故を起こしたのは妹」とチクるけどなっ(`Д´)。それが本当の思いやりってもんでしょ? しかし彼はヒーローでないので、どうでもいいのです。
 妹が起こした事故は波紋を呼び、思わぬ死亡者まで出してしまう。その亡くなった人の身内がヒーローで、ヒロインに復讐するために近づき、結婚までして彼女を雪深い山荘に閉じ込めてしまう。フロリダ育ちのヒロインにとってはほぼ監禁。
 当然、自分は身代わりだと釈明しても信じてもらえないわけです。義妹は「姉に見捨てられたかわいそうな女の子」と認識されてしまう。ヒロイン、自分の愚かさにようやく気づいた上に、すっかり好きになっていた彼に憎まれていることを嘆く。
 このあともさらなる追い打ちが次々あって、面白かったです。直る欠点(ヒロインの愚かさ)と直らない欠点(義妹の自己愛)の描き方が適格。次第にヒロインが強くなっていくところがいいです。ヒーローにもちゃんとしっぺ返しがあるし、後悔するしねっ。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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