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◎『ロマンス小説の書き方』ヘレン・S・バーンハート

◎『ロマンス小説の書き方』ヘレン・S・バーンハート(講談社)
 20年以上にわたり多くの作家を育て上げ、自らも何冊もの作品を出版している著者が愛をこめてあなたに贈るロマンス小説の書き方(裏表紙から)("Writing Romance Fiction For Love & Money" by Helene S. Barnhart,1983)
※「講談社文庫」のタグをつけてありますが、単行本です。
前説が6/1の日記にあります



 再読です。何ともう28年(日本語版は27年)も前のものですか……。
 ロマンス小説はなくなってはいませんし、多分これからもなくなりませんが、出版業界は海外も日本も大きく変わりつつあります。この本に書かれた頃には、電子書籍を携帯電話とかで読むなんて、思いも寄らなかったことなんだろうなあ。
 内容ですが、全13章で構成されています。キャラ、舞台や職業、プロット、視点、会話、HOTシーンについて等々──。
 第1章と第2章では、ロマンスというジャンルとその作家、及びその市場等についてたっぷり解説しています。特に第2章は、ロマンス小説というガイドラインに沿った小説(いわゆるカテゴリ小説ってものかな?)の種類について、かなりの枚数を割いて説明していますが、今はもう数えきれないほどふくれあがっているはず。だって、RITA賞の部門だけでもわけがわからないほどあるもんね(´д`;)。サスペンスについてはほとんど触れられていないし、パラノーマルなんて言葉も出てこない。
 ここら辺までは少し時代を感じたけど、これ以降の書き方の指導になってくると、あまり古さは感じなくなります。手で書こうがパソコンで入力しようが、考えるのは人間の頭の中だからなあ。
 日本語と英語の文章作法の違いはあれども、この本自体はかなり懇切丁寧に書かれた小説入門書だと思います。まったく小説なんて書いたことのない人向けに書かれているし、「『ロマンス小説』でみんなに夢を与えよう」という意欲をかきたてる励まし(煽り?)もふんだんに入っている。
 ただ、軽く読んでいると「これをやりなさい」と提示されたものの膨大さに驚くのではないか。
 第3章では、お気に入りのロマンス小説を徹底的に分析しろ、と言っています。そして、17項目(タイトルとか読後感とか)についての考察をノートに書き出しなさい、と。
 そして第5章、それが終わったら今度は自分の小説についての登場人物についてこれだけは決めて書いておけ、という項目(外見とか仕事とか過去とか)が14個。
 登場人物についてだけですよ。だけって言ったって最低ヒーローとヒロイン二人分は絶対だし、他も主要な人だったら書かなきゃだよね?
 ここまで読んで、というか、項目がズラズラ並んでいるところを見て私、思わず、

「めんどくさ(´д`;)……」

 とつぶやいてしまったという……すみません……orz
 あと8章ありますが、章の最後にはたいてい細かいチェック項目がありました。うはー……(´∀`;)。

 とはいえ、著者も言っていましたが、実際に「どうやるか」は自分で決めろってことなのです。何もわからないならここに書いてあるとおりにしてもいいし、やってみてなんか違うなら、自分なりにアレンジしてみるのもいい。
 でも、「めんどくさいから、どっか省こう」というのは違うと思うのです。やり方はいろいろだけど、やらないといけないことではある。何でかっていうと、ここに書いてあることはロマンス小説に限らず、小説の基礎の基礎、「最低限」のことだからなのです。つまり、
「商業小説があなたにも書けますよ!」
 と言っている裏には、

「(これくらい最低限普通にできる人だったら)」

 という重要な前置きがある。小さく隠れている東スポの「!?」みたいなものですか(違)。
「入門書」なんだから、当たり前っちゃ当たり前なんですが(^^;)。でも、自分なりのアレンジと手抜きを勘違いしてい……ゲフンゲフン。
 実際、最後の章で書きあがった原稿に対しての膨大なチェック事項(orz)に関して、

「この程度で根を上げんな(゚Д゚)ゴルァ!!」

 と、もっと丁寧な言葉で、明らかな発破をかけています。

 ロマンス小説の入門書として特徴的なところといえば、基本的にヒーローとヒロインの感情の描写を最重要視し、プロットや入れるべきエピソード(HOTシーン等)は基本的に二人の関係を発展させるためのものとしている、という点でしょうか。
 一般的なエンタテインメント小説の入門書だと、もっと「構成」や「伏線の張り方」といった物語を盛り上げる部分にページを割くはず。もちろんキャラの心理描写はとても大切なことだから、それと同様に、です。でも、プロットやエピソードに関しては二人の関係性にだけ焦点を当てるわけにはいかない。もっとメリハリつけろとか、全体を見渡して広がりのあるものにしろとかって言われるよね。
 ロマンスもエンタメ小説の一つであるわけだし、特に長編を書こうというならこういうことも考えないといけないんだけど、そこら辺もやっぱり「最低限」ってことなのかなあ、と思ったりしました。ハーレクイン・ロマンスの長さというのが基準なんだね、やっぱり。

 この本を読んでロマンス小説を書けるかどうかは──「書ける」というのがどういう状況を指すのか、というのも含めて、読者の獲得方法も多様な今現在、また別問題ですが──書ける人はきっと書けるでしょう。そして、書けない人はきっと書けない。まあ、これはどの入門書でも同じことだけどさ。
 とはいえ、私はこの著者のこの言葉が、今も昔も小説を書くことのすべてを語っていると思うのです。

「書いてゆくことへの愛情」

 愛とお金のために書け、という原題ですけど、やっぱり好きじゃないと続けられないよってことだね。

 ところで、幾人か現役作家の名前や文章が引用されていたけど、私はいまいち不勉強なのでよくわからず……。ジャネット・デイリーやダニエル・スティール、バーバラ・カートランドはさすがにわかるけど。「ジェーン・キャースル」と「ステファニー・ジェームス」はジェイン・アン・クレンツのことかなあ。「ボニー・ドレイク」はバーバラ・デリンスキーの別名義なの?
 昔からのロマンスファンなら、そこら辺も楽しいかも。
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ロマンス以外 講談社文庫

ありがとうございます(。つ∀≦。)

感想は来週まで待つつもりだったので、白さんが無理を押して書いてくださった事に、心の底から感謝します。v-352

本当に中身が一体どういうものか、知りたくてたまらなかったもので。(^^;ゞ

それにしても、実践編としては、かなり具体的っぽいですね。
ん~……これはやはり買いかな?

ちょっくら中古本探しの旅に出掛けてきます。(^^;ゞ

けっこうスパルタ

 りらっくまま様
 コメントありがとうございます。
 いいかげん仕事に嫌気がさしていたので、逃避です逃避……(TωT)。
 実用に足るかどうかはさておき、ロマンス小説に特化した入門書はほとんどないので、コレクターズ・アイテムとしては貴重かもしれません。
 ですます調で訳されているのでソフトな感じですが、けっこうスパルタなこと書いてありますよ(^^;)。
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
    ★★★★からがおすすめです。
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