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2011 · 08 · 02 (Tue) 13:44

◆『心のすべてを』アマンダ・ブラウニング

◆『心のすべてを』アマンダ・ブラウニング(ハーレクイン)
 モーガンの父とリーの母が結婚して、二人は義兄妹になった。身持ちの悪い母は、すぐに家を出ていったが、残された三人は本当の親子のように暮らしていた。そう、一年前──リーがしつこい男を突っぱねるためについた嘘を、モーガンが本気にするまでは。以来、彼はリーをひどく軽蔑するようになる。("Something From The Heart" by Amanda Browning, 1990)

『ハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ別冊 それぞれの愛し方』の一編。
 ヒロインが金目当あての女のふりして体よくしつこい男を追い払ったところに、たまたま居合わせたヒーロー。それが彼女の正体と思いこみ、可愛さ余って憎さ百倍。軽蔑の限りを尽くします。
 あまりにも簡単に思い込み過ぎ、と思うんだけど、ゲスな母親を近くで見ていたせいで、真似が真に迫っていたのでしょう──だからってヒロインの落ち度じゃないけどっヽ(`Д´)ノ
 何を言ってもやっても信じてもらえず、弁解の機会すら拒否される。偶然の出来事でさえも策略と思われて、ヒーローとにかく疑心暗鬼の塊です。まさにヒロイン、ドアマット状態。
 でもそんなにヒーローがお子ちゃまにも見えないし、寄ると触ると言い争いをしているにしてはギスギスした感じはない。それは、誤解とはいえ「ヒロインにだまされていた」と思う彼がとても傷ついて悲しんでいるというのがわかるから(いや、腹は立ちますけどね(-ω-;))。そして、ヒロインが彼に対して、ちゃんと気持ちを──「愛している」と何度も口にするから。
 信じてもらえなくても、言う。どんなに冷たくされても、あきらめずに「愛している」って言う。それが自分のできるたった一つのことと信じて。
 この潔さが大変よかったです。どうせプライドにすがるなら、ごまかしなど一つもない真正直な気持ちを盾にした方がいいんだよ。とてもとてもつらいだろうけど、女は開き直ると強い。
 ラスト近くに、ヒーローとヒロインの立場が逆転する事態になります。そこで初めて自分が何をやってきたかヒーローが思い知る構成も溜飲が下がる。
「愛している」が連発されるお話ですが、片方の愛だけじゃなく、それを信じる相手の気持ちも同じくらい大切ってことだよね。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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