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2011 · 08 · 03 (Wed) 21:59

◆『ふたりのジョアンナ』サンドラ・マートン

◆『ふたりのジョアンナ』サンドラ・マートン(ハーレクイン)
 目が覚めた時、彼女は病院にいた。ここはどこ? 何があったの? タクシーが……こっちに向かってきて……私は事故にあったの? 「大丈夫だよ、ジョアンナ」優しい声で話しかける人に彼女はたずねた──「あなたは誰?」。「僕はデイヴィッド・アダムズ。君の夫だ」──なら、どうしてあなたは私をそんな目で見るの?("The Second Mrs Adams" by Sandra Marton, 1996)

『ハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ別冊 それぞれの愛し方』の一編。
 記憶喪失ものでよくある始まり方ですが、この夫婦、ヒロインが記憶を失う直前に離婚話をしていてあとは手続きだけ、という状態でした。結婚してからまもなく、はつらつとして飾り気のなかった彼女が、セレブ生活に慣れた冷たい女になってしまったことに幻滅したヒーローから出た話。だが、記憶を失ってしまった彼女はひと目惚れした女の子そのもので、彼はとても戸惑う。
 結局もう一度ぞっこん惚れ込んでしまうのですが、もし記憶が戻ったら、今いる彼女が元の冷たい女に戻ってしまうかも、と気を揉む。
 ヒロインはヒロインで、夫の態度に不自然さを感じているけど、どうたずねればいいのかわからない。自宅や部屋に戻っても、全然自分の好みと違う。少しずつ記憶を取り戻していくけど、核心に迫れず、不安は拭えない。
 彼女が変わってしまった理由について、ほんの少しミステリー風味になっていますが、そのおかげか離れていた間にできなかったことをやり直しているような切なさが際立つ。よくできたプロットです。
 純真なヒロインをだました奴には腹が立ちますが、ヒーローも気づきなさいよ……(´д`;)。けどまあ、この二人はとても善良なんだよね。似た者夫婦ですな。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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