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2011 · 08 · 22 (Mon) 09:42

◆『消せない夜の記憶』ジュリア・ジェイムズ

◆『消せない夜の記憶』ジュリア・ジェイムズ(ハーレクイン)
 イブは、実業家の父の言いなりになる生活に飽き飽きしていた。そんな彼女がある夜出会った強烈な印象の見知らぬ男性──。二人はひと目で惹かれあったとわかったが、それはお互いの正体がわかるまでの幻想だった。彼は、父を破滅に追い込もうとしている男、アレクセイ・コンスタンティンだった。("Purchased For Revenge" by Julia James, 2006)

 ヒロイン、諸事情あってゲスな父親の言いなりにパーティーへの同行者として、付き添っています。母親も事情があってひきこもり気味。
 初めて会った直後にそんな彼女を見て、父親の金で好き勝手に遊び歩いて、父の手先になっていると思い込むヒーロー。よくある設定ですが、相変わらず自信たっぷりだけど単なる決めつけと裏付け調査不足は棚上げです。
 この作品のヒーローは、ちょっとだけ「違うんじゃないか」と考えるだけマシなんだけど、冷静になってちゃんと調べるまでには至らない。父親が失脚して逃亡後、ヒロインが「どうしても売ってほしい」と言う地所はクリニックになってるんだけど、少し調べればどんなところか簡単にわかるはず。
 最初はDVを受けている女性のためのところで、くわしいことを隠しているから「金持ちが密かに入院するところ」と思われる可能性はあるかも、と思ったんだけど、違うし(゚Д゚)!
 ただ、ヒーローの猛省度はかなり高い。復讐の相手だったヒロイン父と同じ人間になってしまった、と自分をとても恥じている。自覚しているし、ちゃんと口にもしているから偉い偉い、と思ったんだけど、なぜヒロイン父に復讐するに至ったかの話にはドン引きしてしまいました……(´・ω・`)。うはあ、ヒロインの立場が……。
 いくら彼女と父親は違うとわかっていても、将来その血を恥じて、精神的に追い詰められないかと不安になった。
 ヒーローの反省態度は大いに評価するけど、真相の重さにすっきりしない後味が残りました。うーむ、惜しい。とても惜しい……。ヒーローヒロインともに真面目な人だとわかるから、余計に重かった。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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