Top Page › 読書の感想 › デボラ・シモンズ › ●『黒い豹』デボラ・シモンズ

2011 · 09 · 13 (Tue) 09:02

●『黒い豹』デボラ・シモンズ

●『黒い豹』デボラ・シモンズ(ハーレクイン)
 1792年、革命から三年たったフランス。デュモン伯爵令嬢ドミニクは、村人の焼き討ちから逃れて、侍女とともにパリへ着いた。今日からガブリエルと名を変え、お針子として働くのだ。そして、離れ離れになった父を見つけたい。誰か信頼できる人がいれば──でも、あの男だけはダメだ。彼──アレクサンドルは危険すぎる。大きく強く、豹のような男……。("Silent Heart" by Deborah Simmons, 1993)

 再読です。
 確か、これを読んだ時はまだ『紅はこべ』を読んでいなかったと思う。今読み返すと、似ているというか、革命後の混乱の中、不当な刑に処される貴族をイギリスに逃す謎の男という設定は同じ。古き良き冒険活劇の雰囲気もそのままです。
 だから、“黒豹”の正体はバレバレ。しかし、それがいい。バレるのが前提のケレン味がなくてはつまりません。
 この話の要は、伯爵令嬢のヒロインが宿屋の厩番に変装しているヒーローに惚れてしまうというところです。しかも、口のきけない愚鈍な男のふりをしているし、彼女自身も最初はそう思っている。途中で知性もあり、結婚したあとで口がきけることもバレるのですが、しがない厩番だとはずっと信じている。伯爵である父親に結婚を認めてもらえないかもしれない、と気を揉むヒロインだけど、実は──というお話。
 ヒロインはちょっと子供っぽいけど、素直で純真で、とても楽観的な女の子。お嬢様だけど頭切り替えて働くし、おてんばで体力もある。妊娠中に投獄され、そのあとの飲まず食わずの逃避行ののち、夫を蹴飛ばす元気があるほどです(^^;)。何その強さ。絶対に尻に敷かれるな。
 ヒーローのこのセリフが好き。

「おれは絶対に忘れないよ。(中略)口のきけない厩番だったにもかかわらず、きみがおれを愛してくれたことだよ」

 幸せそうだな!(´д`*)
 エピローグもとても微笑ましく、さわやかな読後感です。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

Comments







非公開コメント