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2011 · 10 · 16 (Sun) 16:10

◆『リーは泣かない』ディクシイ・ブラウニング

◆『リーは泣かない』ディクシイ・ブラウニング(サンリオ)
 父を亡くしたリーは、かつての継母を頼ってオーストラリアに渡る。だが、彼女はリーを歓迎せず、娘夫婦たちの船旅へ追いやってしまう。彼らと馴染めないリーは船着場で隣のヨットに潜りこむ。持ち主に見つかったら、どこかの港で降ろしてもらおう。だが、持ち主のスミスは、彼女を自分の滞在先である小さな島へ連れて行く。("Chance Tomorrow" by Dixie Browning, 1981)

 タイトルが昔の少女マンガや少女小説のよう。
 ちょっと訳文が堅い感じで、もしかしたら訳者は女性名の男性? と勘ぐったりして(いや、別に男性でも女性でもどっちでもいいですよ)。
 内容もシンプル。島に連れてこられたヒロインは18歳。ヒーロー(30代半ばくらい?)の家政婦を何となくするようになるんだけど、家事なんてほとんどしたことなかったから、失敗ばかり。劣等感を生意気な口調で隠すところは、本当にまだ子供です。
 なりゆきで連れてきちゃった女の子にだんだん惚れ始めたヒーローが距離を置こうとしたり、彼の婚約者を名乗る女が乗り込んできたり、何の説明もなく彼の家に連れ帰られたりして、ヒロインの戸惑いはMAX。自分で仕事を探して、彼の前から姿を消します。
 ロマンスというより、ヒロインの成長物語みたい。お話に不満はないんだけど、ヒロインの孤独感があまり感じられなかった。孤独な女の子の強がりや子供っぽさって、私はものすごく弱いはずなのに、泣かなかったんだよねえ。だから、掘り下げが足りなかったのかなあ。
 ヒーローがもう少し優しいというか、その孤独感に(言い方悪いけど)つけ込むような人だったら、もっと切なくなったかもしれない。ちょっと鈍感だったな。
(★★★)

最終更新日 : 2014-12-06

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