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2011 · 11 · 03 (Thu) 18:49

◆『愛を忘れた理由』ルーシー・ゴードン

◆『愛を忘れた理由』ルーシー・ゴードン(ハーレクイン)
 ハリウッド女優の娘で歴史学者であるペトラは、母の何度目かの結婚式で、ギリシアの実業家リサンドロスと再会する。二人は15年前に出会い、悲観に暮れていたリサンドロスをペトラが慰め、キスを交わした。若かった二人は大人になったが、彼はまだその時の悲しみを秘め、人との間に壁を作ったままだった。("The Greek Tycoon's Achilles Heel" by Lucy Gordon, 2010)

 ヒーローのミドルネームが「アキレス」ということで、「愛」が大きなアキレス腱となっている彼の心を懸命に癒やそうとするヒロインのお話。
 若い頃に愛した女性にだまされ、そのあと信じなくてはいけない時に彼女を突き放して失ってしまったことを悔やみ、誰も愛さなくなったヒーロー。ヒロインに出会って、もう一度信じようと思ったけど、再び疑心が忍びこむ。
 ヒロインは彼を愛しているし、彼が自分を愛していることも承知しているけど、一番つらかったのは、彼から信頼されないということ。
「愛さえあれば」とはよく言うけど、実際は愛だけじゃ長持ちはしない。信頼がなければ、いつかは壊れる。人間関係の基礎だけど、一度失うと取り戻すのが大変──それが信頼。
 ほとんどヒーローとヒロインの会話だけでこれを描ききっているルーシー・ゴードンの力量は大したものだけど、少し理屈っぽくなってしまっている部分もあるような。ラストの巻き返しも、ちとありきたりで、惜しいです。正統派大人ロマンスのまさに「アキレス腱」とも言える。でもこれって、諸刃の剣だよね……。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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