Top Page › 読書の感想 › な行の作家 › ◆『ボタンひとつの誘惑』ナタリー・アンダーソン

2011 · 11 · 20 (Sun) 13:50

◆『ボタンひとつの誘惑』ナタリー・アンダーソン

◆『ボタンひとつの誘惑』ナタリー・アンダーソン(ハーレクイン)
 ニュージーランドに戻ってまだひと月だというのに、今日もソフィは忙しい家族のお願いを断れなかった。私にだって、やりたいことがあるのに──と思いながら赴いたのは、ある財団理事長のオフィス。型破りな実業家でもある彼は、大胆に彼女を誘惑してくる。でも、それを拒否する理由なんかある? 一度だけでも奔放になっても悪くないかもしれない。("Unbuttoned By Her Maverick Boss" by Natalie Anderson, 2010)

 今月のハーレクイン・ディザイアの新刊です(11/5刊)。
 ヒーローはこんなことを言います。

「原因は君じゃなくて、僕だということ」

 これはそのシーン前に起こったことに対しての言葉なのですが、作品の肝にもなっています。
「彼女に手を出したら、それだけでは終われない=そんな女に手を出すべきではない」
 つまり、俺じゃなくて彼女が悪いんだし!ヽ(`Д´)ノ と全力で言っているわけです。まあ、よくいるヒーローだけどさー(´∀`;)。
 たいてい「愛している」と気づいて、うやむやになっちゃいますが、この作品のヒーローは愛より先に気づいて、

「君は僕にはふさわしくない(´・ω・`)」

 と思ってしまう。
 こういう自己否定ヒーローは大好物なので、後半はとてもツボな展開でした。展示会のくだりでの大失敗も、結婚式で取り返したし。
 でも前半、ちょっと焦点がボケていたような。一家の中で浮いた存在で、家族に頼まれるとイヤと言えない自己評価の低いヒロインの話に流れていきそうだったのに、途中でグイッとヒーローの方へ曲ってしまった感じ。前半の問題を解決していないわけではないのですが、印象が散漫です。ヒーローとヒロインの問題、どちらかだけにしておいた方がよかったんじゃないかな。
 両方好みの設定なので、すごくもったいないと感じました(´-ω-`)。

 それにしても、詳細なHOTシーンより、ヒーローがヒロインのために工房を用意してあげたりするシーンの方がずっとずっとキュンとなるとは──歳なのかしら。それとも、女子は皆こんなもの? 欧米人と日本人の差?
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

Comments







非公開コメント