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2011 · 11 · 29 (Tue) 14:10

●『報復は甘く』ポーラ・マーシャル

●『報復は甘く』ポーラ・マーシャル(ハーレクイン)
 1818年、ロンドン。離れて暮らしていた姉が突然亡くなった。牧師の娘ベルは、姉の屋敷やその莫大な遺産に驚く。何と彼女は、高級娼婦だったのだ! 遺産をどうしたらいいのか迷っている時、見知らぬ男性が訪ねてくる。彼の名はフランシス・ケアリー卿。甥がベルの姉に入れ込んだあげく借金を作ったことに激怒したのだ。ベルはその尊大な態度に腹を立て、軽い気持ちである嘘をついてしまう。それがのちに自分へ跳ね返ってくることも知らずに。("The Cyprian's Sister" by Paula Marshall, 1993)

『ハーレクイン・リクエスト 愛と復讐の物語』の一編。
 ヒロイン、田舎の純真な女の子ですから、姉が娼婦だったことを初めて知ったり、遺産の額が大きすぎたりして、頭が混乱していたのかもしれない。ヒーローに対して、

「私が姉の商売を引き継ぐから、手ほどきをしてくれないか?」(純真な子はこんなこと言わない?(´∀`;))

 と言い出し、後日約束をして彼を帰すことに成功する。しかし、約束はもちろん嘘なので、ヒーローがワクテカで屋敷を再訪した時は、もうもぬけの殻(甥の借金等はなしになってますが)。
 ヒロインは名前を変え、未亡人のふりをして、あるリゾート地で暮らしている。ところが、そこで友人になった女性の義弟がヒーローだったもんで、再会して大変なことに。
 途中まではすごくツボな話だった。「私は娼婦じゃない」と言っても、ヒーローは信じてくれないし、何かにつけて「正体をバラすぞ」と脅される。彼は彼で、卑劣な脅迫をしていながら、同時に彼女を守りたいと思うし、別の男と話していても嫉妬するし、ヒロインの(事実と違う)過去のことを妄想して苦しんだり。
 ヒーローがかなりヒロインにメロメロで、すれ違いもツボだったんですが、惜しいかな二人ともプライドが高すぎて、意地の張り合いが長すぎる。こういう誤解は、二人が同衾してしまえばすぐに解消してしまいますが、ヒロインが、
「彼が結婚を申し込むまで、しない!」
 と決意してしまい、なかなか我慢強かったりするもので、かなり後半にならないと誤解が解けない。
 とはいえ、そのせいでヒーローがひざまずいて(これはほぼ土下座だよね)、

「やらせてください……orz」

 と懇願するはめに陥る。これはこれで萌えました(´д`*)。
 でも、そこだけで長すぎる意地の張り合いは覆らず……。超惜しいわ~。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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