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◆『残酷な遺言』エリザベス・ローウェル

◆『残酷な遺言』エリザベス・ローウェル(MIRA文庫)
 学生のララは、モンタナの牧場地に関する歴史を調査するために大学からロッキング・B牧場に派遣された。かつてはこの牧場の敷地内に住み、牧場主の養子カーソンをひたむきに愛したララだったが、身を捧げようとした彼女を彼は拒絶した。あれから4年たったが、心は癒えていない。("Sweet Wind, Wild Wind" by Elizabeth Lowell, 1987)



 大人の身勝手な欲望と憎しみに巻き込まれた子供たちの苦悩の物語。
 牧場に執着し続けたヒーローの養父は、出資者の孫娘と結婚したけれども、妻を愛することはなく、二人の間に子供も生まれなかった。結婚や相続のことでたくさん契約を交わした夫婦は、ヒーローを養子に迎える時もそのとおりにして、結果ヒロインは父親であるヒーロー養父からの認知をもらえなかった。
 ヒーロー養母も悪いけど、一番悪いのは養父よね。ヒロイン母は、十代で彼女を産んだようだから、子供同然ですよ。ていうか、立派な犯罪だよね(´д`;)。
 とにかく、そんな荒んだ環境のど真ん中に置かれたのは、実はヒーローで、ヒロインは若くして亡くなった母と祖父から愛情を受けて育つ。牧場に帰ってきた彼女を「今度こそ手に入れてやる」と固く決心するヒーロー。
 ヒーローが頑なになったのは無理ないし、4年前ヒロインに対して復讐を仕掛けたのも、若気の過ちと言える。そのあと、養父がまためんどくさい遺言を残したことを言えないまま結婚しちゃった気持ちもわかる。一応、ヒロインを男性恐怖症にしちゃったことを悔やんでもいるし。
 ただ私としては、全部打ち明けた状態での契約結婚というのが一番の好みではある。そっちのお約束の展開の方が、言う勇気のない隠し事がバレたあとのお約束より好きなのです。どっちもお約束で、全部わかってしまうほどのテンプレというのも同じなのに。
 つまり、単に「言う勇気のない隠し事」が嫌いってだけで(´ω`;)。それをやってるのがヒーローってとこがまたね……(-ω-;)。もちろん、ヒロインでもいやなんですけど、つい、
「男でしょ!!(゚Д゚)」
 と言いたくなるのですよね……。
(★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー MIRA文庫 ★★★

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Re: おはようございます。

 コメント、ありがとうございます。
 ドロドロですよね、ほんと。
 けど、ローウェルってそこら辺サラッと書いてて、そういうのは好きなんですけど、やはりヒーローに勇気がないという設定は──ちと情けない(^^;)。
 彼も状況もとても複雑っていうのは、わかるんですけどねえ……。
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