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2011 · 12 · 29 (Thu) 15:29

●『伯爵と愛人』トルーダ・テイラー

●『伯爵と愛人』トルーダ・テイラー(ハーレクイン文庫)
 1789年、パリ。農夫の娘マドレーヌは、子供の頃モビリエ侯爵に引き取られ、親子同然に暮らしてきたが、彼は革命後に亡くなってしまった。以前に「愛人にならないか」という誘いをした侯爵の友人レニエ伯爵リュシアンが、彼女を伯母の農場に送っていくことに。傲慢でいかにも貴族然とした彼のことを、マドレーヌはあまりよく思っていなかったが──。("The Comte And The Courtesan" by Truda Taylor, 1996)

 貴族と、農夫の娘の身分違いのロマンスですが、貴族であるヒーローは革命後に爵位を剥奪されています。だけど、ヒーローは王党派。革命軍との戦いに身を投じることになります。
 だから身分違いも何もないんだけど、ヒーローもヒロインも若く未熟で、簡単に気持ちが切り替えられない。特にヒーローは友人であった王が処刑され、今までの価値観が覆されたことによっていっぱいいっぱいになっている。「愛人になってくれないから結婚する」という選択にヒロインが傷ついていることも、自分がなぜそうしたかの本心もわからない。
 この二人の気持ちのすれ違いは、私の好みだったのですが、ヒーローが戦争に出かけてしまって離れ離れなのが多いし、しかも負け戦だとわかっているので、読んでて少し二人ともかわいそうに思えてくる。傲慢なお坊ちゃんだったヒーローは、愛しいヒロインを安心させてあげたり、時には自分も慰めてもらったりという持ちつ持たれつの関係がうまく築けない。大切に思うあまりの言葉足らずな暴言で、ヒロインを怒らせ、気の強い彼女も言い返して──のくり返し。
 いつ死ぬかわからないという状況では余裕がないのは当然と思いながらも、読む速度が落ちるのを止められず(´ω`;)。
 ドラマチックな内容ではあるんだけど、史実の結末がわかっているというのは、やはり効果も裏腹であるよね。未熟なカップルが誤解を乗り越えて幸せになる、というお話は好きなんだけどねえ……。
(★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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