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◆『閉ざされた記憶』ペニー・ジョーダン

◆『閉ざされた記憶』ペニー・ジョーダン(ハーレクイン)
 孤児院育ちで身寄りのないアニーは、5年前、交通事故に遭った。ひどい怪我を負い、事故前数週間と昏睡時の記憶は失ったが、その時の主治医ヘレナとは実の母子のような友情を育んでいる。ヘレナと夫ボブの結婚記念日の夜、アニーはあるレストランへ赴いた。そこで見かけた男性に、激しくショックを受ける。彼は私の「夢の恋人」だ! 夜毎夢の中に現れ、私を愛する人……。("Back In The Marriage Bed" by Penny Jordan, 2000)



『甘い闇の記憶』と一緒に買ってきたものですが、両方タイトルに「記憶」がついているのは偶然です。今、まさに今気づいたよ、私(´∀`;)。
 ヒロイン、記憶を失った数週の間にヒーロー(名前はドミニク)と結婚していました。ケンカというか、ヒーローに言われた言葉にショックを受け家を飛び出し、事故に遭う。親しい友だちもおらず、街にも来たばかりで、事情を知っている人がいないまま、5年。ヒーローは、元々大学入学予定だったヒロインを置いて中東へ単身赴任するはずだったので、

「勝手に出ていきやがってヽ(`Д´)ノ」

 と旅立って、そのまま5年。
 読んでいる時は面白かったんですよ。二人の情熱的ではあるが未熟な結婚生活と別れの真相、5年の間にもっと美しくなったヒロインに怒りながらもまた惹かれていくヒーロー、記憶を取り戻せないヒロインのもどかしさ──ドラマチックではあるのですが、読み終わったら、

「ん?(・_・;)」

 ってなった。
 日本なら、ヒロインは自分の名前を憶えていたわけですから、役所に問い合わせればすぐに結婚(入籍)しているとわかるよね? まあ、これは日本の話じゃないから仕方ないとしても、10日も家に帰ってこない嫁のことを警察に届けなかった旦那ってどうなんですか!?(´ω`;)
 子供とは言えないけど、18歳ですよ。日本なら未成年だし、それは置いておくにしても、(結婚したてとはいえ)家族が行方不明になったら、
「俺を捨てて出ていった!」
 とすねるより先に「何かあったんじゃないのか?」と心配するでしょう?
 しかも、自分は仕事で中東に行かなきゃならない。それならなおのこと警察に捜索願を出すか、せめて友人とかに探してもらうように頼むとか。あとからでもさあ。

「お前、嫁をほったらかしにしたって自覚ないだろ」

 って、誰かこのヒーローに言ってやってよー(´Д`;)。っていうか、そういう良識的なお友だちもいなさそうなんですけど……orz
 しかも、彼女が出ていった理由というのは妊娠と子供に対する無神経な発言。それをすっかり忘れているって?(#・∀・) 一応ヒーロー視点では書いてありましたが、「それが理由であるはずもなし」って感じの流され方。つまり、想像もしてなかったことなのね。
 ヒロインにも、幼かったとか自分に自信がないとか思っていることをうまく伝えられなかったとか原因はありますけど、基本的な非はヒーローにあると思うなあ。十も年上のくせに考えなしすぎる。
 事実を知ったあともプンプン怒ってばっかだし、「早く思い出せ(゚Д゚)ゴルァ!!」みたいなせっかちな態度だし──少しは自責の念とか持てないわけっ!?(-"-;)

 と、だいぶ腹も立ったのですが、読んでる時は泣けたんだよなあ……。
 ペニー・ジョーダンは、心や身体に傷を負ったヒロインを書くのがうまかった人なのだな、と思いました。そういう人の強がりやプライドに説得力がある。何もない人だと、ただの勝気すぎる女になっちゃうけど(^^;)。
 そういう点など諸々含めて──ペニーさんのご冥福をお祈りいたします……。
(★★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
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