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2012 · 02 · 15 (Wed) 14:54

◆『レディ・エレノア』ペニー・ジョーダン

◆『レディ・エレノア』ペニー・ジョーダン(ハーレクイン文庫)
 祖父の死によって広大な領地と屋敷を相続したレディ・エレノアことネル。だが、屋敷の維持費や相続税はどうしたらいいのだろう……。途方に暮れたネルに、祖父の友人でもあった遺言執行人ジョスが突然結婚を申し込む。「僕はここが必要としている金を持っている。そして僕は社交界に受け入れられる名声を手に入れたい」──ジョスを愛しているネルにはそんな結婚はつらすぎる。だが、彼女に選択肢はなかった。("Lover's Touch" by Penny Jordan, 1988)

 今月の文庫の新刊です。
 便宜結婚お約束のすれ違いがぎっしりつまっていて、萌えたわ~(´д`*)。
 ヒーローヒロインともに熱愛していますが、お互いに「相手は自分のことをみっともない」と思っている。
 貧しい育ちのヒーローは、貴族のお姫さまからすれば、こんな粗野な成金など鼻にもひっかけないだろう、と思い、自分に自信のないヒロインは、彼がつきあってきた美女と比べてなんと自分は地味で野暮ったいんだろう、と思う。お互いにあげられるものはお金と称号しかなく、それのための結婚と本気で信じている。
 だから、ささいな言葉や態度を別の意味にとってしまい、ケンカばかり。この誤解がツボでしたよ。「そうよね、確かにそう取れるよね」という感じで。
 また、ヒーローに横恋慕している秘書がイヤな奴をしっかり務めていて(^^;)、ヒロインにだけ意地悪している。それに気づかないヒーローの鈍感(゚Д゚)! という焦れったさも味わえます。
 しかし、ヒロインもただ黙っているわけではなく、貴族の令嬢としてのプライド──というより、義務と役目っていうのかな? そういうのでやり返す。それがなかなか痛快でした。お姫さまじゃないとできないって感じでねー。
 便宜結婚が大好物なので、その正統派切なさを堪能できて満足です(´∀`)。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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